ロックアックス
U主、ジョウイ、ナナミそして○○は次の日には出発した。
キャロの街を出発し、燕北の峠を通り、リューベの村跡地で休み、トトの村跡地を通り、白鹿亭で休み。ミューズには寄らず、関所を通り抜け、街道の村で休み
そして、ロックアックスに到着した。
「はー、着いた!」
U主はロックアックス城を見上げた。
「いつ見ても大きいね」
ナナミは笑って見上げた。
「……出来れは、ここにはナナミとは来たくなかったね」
ジョウイが困った様に笑った。
「あはは!なら、今までの道ほとんど辛い思い出だよね」
U主はあっけらかんと笑った。
「そうだよね!最初はフリックさんとビクトールさんに助けられたのに」
ナナミもクスクスと笑った。
「……そうだね」
ジョウイは苦笑した。
「さあ、行こうか!」
U主はにっこりと笑った。
「もー、○○さん!行くよ!!」
ナナミが○○の手を引く。
「お、お腹痛い……」
○○はお腹を押さえ。
「何言ってるの?はい!行くよ」
ナナミは笑ってロックアックスの門をくぐった。
「さて、問題はどうやってカミューさんに会うかだけど……」
ジョウイなうーんと腕を組んだ。
「僕が行ったら……問題だよね?大統領断ってるし……」
U主は困った顔をする。
「な、なら、僕はもっとまずい」
ジョウイはもっと困った顔をする。
「わ、私が行ったら幽霊騒ぎかな?」
ナナミはあははと笑った。
「……そ、そもそも、騎士団長様にお目通りなんて、どうすれば……」
○○も困った様に笑った。
ーーーぐーー
誰とも解らないお腹の音が聞こえた。
「……」
「……」
「……」
「……ぷ」
「止めてよナナミ!」
U主は腹を抱えて笑った。
「な!私じゃないわよ!ジョウイ!」
ナナミは怒ってジョウイを見た。
「僕じゃないよ……」
ジョウイは遠慮がちに○○を見た。
「え?私じゃないよ?」
○○は不思議そうな顔をする。
「じゃあ、U主かい?」
ジョウイがまだ笑っているU主を見る。
「バレたか……」
U主はニヤニヤと笑った。
「ちょ、ちょっとU主!!」
ナナミは怒ってU主をバシバシと叩いた。
「痛っ!ごめ、ごめんなさい!!」
U主はナナミに叩かれながら謝った。
「じゃあ、とりあえずご飯食べようか?」
○○はにっこりと笑った。
「そうしましょう」
ジョウイも困った様にU主とナナミを見ながら言った。
4人はレストランに入った。
「何にしようかな」
U主は真剣に悩み始める。
「僕はシチューにしようかな……」
ジョウイも悩みながらメニューを眺める。
「じゃーねー、私は情熱パスタ!」
「ナナミちゃん……」
ナナミの元気な声に○○は苦笑した。
「○○さんは?」
「私は……グラタンにしようかな?」
○○も悩みながらそう呟いた。
「よーし、決まった?」
ナナミがU主とジョウイに聞く。
「よし!僕、ステーキ!」
U主がメニューから顔をあげた。
「さとう?」
ナナミが真面目に聞く。
「誰と険悪にさせたいのさ?」
U主は呆れながら言った。
「僕はシチューにする!」
ジョウイもメニューから顔をあげた。
「じゃあ、店員さん呼ぶね!すみませーん!」
ナナミが呼ぶと店員はすぐにやって来る。
「えっとー、情熱パスタとグラタンにステーキとシチューをください」
「かしこまりました」
「あの」
「はい?」
ジョウイが店員に声をかける。
「このお店にもやっぱり騎士の皆さん来るんですか?」
ジョウイが人当たりよく聞く。
「えぇ、ご贔屓にしてもらってますよ」
店員はにこりと笑うと去っていった。
「そっか、城に行かなくても会える可能性ってあるんだ!」
U主は嬉しそうに指を鳴らした。
「うーん、でも効率悪いかな?僕らが会いたいのはカミューさん、もしくはマイクロトフさんだからね」
ジョウイが難しく首を捻った。
「ごめんね、何か私のせいで……」
○○が声を出す。
「良いの!○○さんにはお世話になったし!」
ナナミはにこりと笑った。
「でも、明日までに会う手段が思い浮かばなかったらもう良いから」
○○はにこりと笑った。
「だ、ダメだよ!そんなの!」
ナナミは慌ててそう言った。
「ほら、縁とタイミングって大切だからね。そんなに粘っても……」
○○はにこりと笑った。
「○○さん……」
ナナミは寂しそうな顔をした。
「お待たせしました」
店員が料理を運んで来た。
「あ、ほら料理来たよ!食べよう?」
○○は食べ始めた。
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