七夕はあなたと3
そして夜。
子供達も星の祭りと言う事をあり、皆起きていた。
「凄い!今にも降ってきそうですね」
○○は満天の星空を見上げた。
「ええ。今は月も出ていませんし、とても星が綺麗に見えますね」
カミューも空を見上げている。
外にもテラスにも人がいっぱいで溢れていた。
○○とカミューは結局○○の部屋で明かりを消して例の専用カップで紅茶を飲みながら窓を開けていた。
「本当は外で寝転びながら見たら気持ち良さそうですよね」
○○は少し残念そうに声を出した。
「そうですね。あの調子じゃ難しそうですね」
カミューが窓の外から見える外の人達を眺めた。
「で、でも、私はカミューさんとこうして星が見られるだけで幸せなんですよ?」
○○は照れながらもしっかりとカミューを見た。
「私も同じ事を思ってました」
カミューは柔らかく微笑んだ。
カミューの顔は星のほんの少しの輝きでも解るほど美しい笑顔だった。
「か、カミューさん。あの……」
「しっ」
○○が口を開くとカミューに人差し指を立てられた。
カミューは静かに立ち上がり音もなく部屋のドアを開ける。
「うわっ!!」
コウユウが部屋に雪崩れ込み、マルロがわたわたとしていた。
「これはこれは。立ち聞きとは……」
カミューが二人をチラリと見る。
「っ!ち、違うんです!少し七夕について取材をしようと思ったんです!」
マルロは困った様に焦って声を出す。
「七夕についての取材?」
○○は不思議そうに扉の前に近付いた。
「そうなんです!」
マルロはうんうんと頷いた。
コウユウは立ち上がる。
「あんまりにも入って行けそうになかったんで、どうしようかかんがえてたんですぜ!!」
コウユウがそう胸を張る。
「そうなんだ?ご、ごめんね」
○○は困った様に謝った。
「いえ、僕たちもアポなしで来たので。明日お時間がある時にでも聞かせていただけますか?」
マルロは礼儀正しく○○を見た。
「あ、なら、酒場に来てくださいよ。それなら大丈夫!」
○○はにこりと笑った。
「はい!では、明日。失礼します」
マルロはそう頭を下げると部屋を出た。
「へへ、では!」
コウユウはカミューにニヤリと笑った。
カミューはパタリと扉を閉めた。
「しっかり邪魔をされてしまいましたね」
カミューはクスクス笑った。
「そ、そうですね!」
○○はそう慌てて頷いた。
「『○○さんが幸せになれますように』」
「え?」
「そう、短冊に願い事をしました」
カミューはにこりと笑った。
「『します』だと、ただの決意表明ですからね」
カミューはそう何でもない様に言うと紅茶を飲んだ。
「っ!!わ、私も『カミューさんが幸せになれますように』って……」
○○も驚きながら照れ臭そうにそう言った。
「本当ですか?」
カミューも驚きながら○○を見る。
「は、はい」
○○は顔を赤くする。
「お互いに幸せになりましょうね」
○○は嬉しそうに笑った。
「はい、お互いに幸せにしましょうね」
カミューも嬉しそうに笑った。
***
○○様、ここまでお読みいただいてありがとうございました。
まさかの「風の谷のナウシカ」と「となりのトトロ」見ながら&三時間クオリティですが、お楽しみ頂けたら幸いです。
カミューさんと七夕祭りに行きたいだけです!しかもお祭りの良さが伝わって来ませんが愛はあります!!
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