群集心理 | ナノ




「あー生き返る!」

「ありがとさん」

「ふふ、お疲れ」

「み…皆こそ、お疲れ…」


マジでキツかった。時間配分がありえない。筋トレのせいかこんな短時間にドリンクを作れるわけがない。挫折においやられそうだったが、そこは私のプライドが許さなかった。にしても誰だこの予定たてたの。もし跡部君なら苛めだ、呪ってやる。


「波江が一番しんどそうだよ」

「はは、幻覚だよ幸村君。初日の朝から疲れるなんてマネージャー失格だよ」

「体調管理だけは怠らないでね」

「あ、ありがとう」


にしてもさっきまで筋トレしてたんだよね?幸村君の綺麗な笑顔は厳しいトレーニングの後でも屈しないのか、強い強すぎる最近の中学生の精神力!2年に遅れをとらないのがまたすごいな…


「お昼、一緒に食べよう」

「え、いいの?」

「うん、波江がいいんだ」


思わぬ話題の転換と意外性につい聞き返してしまった。いや、だって真田君や柳君と食べるもんだとてっきり思ってたから。なんか私最近幸村君独り占めしてない?真田君も柳君も怒ってないかな、大事な友達とられて…

ってかなんだ私がいいんだって…それは彼女のためにとっておく台詞でしょ!なんて突っ込みをいれるものの、やっぱり嬉しい。友達だと思ってるのは私だけじゃないって実感できる。


「ありがとう、すごく嬉しい。一緒に食べようね」


私のぼっちフラグがどんどん折られていく!カフェテリア前で待ってるね、と頬を緩めながら言った。

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