群集心理 | ナノ




あれから2週間たった。時がたつのは光陰矢の如しというがあながち間違えてない気もする。正直頭は22才なので余計に時間の経過を速く感じてしまう。これは歳をとるのと比例してどんどん速く感じるようになるけど、やはり時間への慣れからくるのだろうか。

まあそんな余談はともかくだ。明日、合宿です。一応準備は3日前に終わらせたし、弁当と水筒を明日用意するくらいだ。何度も抜け目のないよう確認したから忘れ物はないだろう。明日は7時30分に校門前とのことだから、今日は早めに寝よう。そうベッドにつくとプルルルというケータイ独特の機械音が部屋中に振動した。


[どう、準備できた?]
[明日、とうとう行っちゃうんだね(;_;)]


幸村君と堀さんからだ。堀さんの文面には「すぐ戻ってくるのに」と苦笑して、慣れない手つきでボタンを押す。幸村君には[ばっちりだよ]と、堀さんには[帰ってきたら学校でどんなことがあったか教えてね]とそれぞれに返信した。


[明日からよろしくね]
[うん!あとノート貸すね]


また同じタイミングで二人からメールがきた。堀さんも幸村くんも互いに「そりが合わないんだ」と苦笑を交えて言っていたけど、なんだかんだて息ぴったりである。喧嘩するほど仲がいいとはまさにこのことか。あ、もしかしたら二人くっつくかもしれない!うわあどうしようきっとそうだ。

そう考えるとなんだか巣立つ雛を見守る親鳥の心境だな。所詮友達<恋人だもんね。私なんだか場違いな気がしてきた、と憂鬱に思いながら[よろしくね]と二人に送った。

そういえば今更だけど、すごく今更だけど、電話帳が少ない。4件しかない。叔父さんと、幸村君と、堀さんと、学校。学校はほとんど使うことはないだろうし叔父さんからも国外なので電話はなかなかかかってこない(ちなみにケータイはもってないらしい)。

はは、と乾いた声で自嘲して友達が少なすぎる現実に頭を抱える。いや、別にいいんだけどね、学年変わったらクラス変わるじゃないの。え、私やっていけるかな、無理じゃね。6クラスもあるし、最悪一人だな。でも待て団体行動のとき辛すぎる。



…明日合宿だし寝よう。11時前に結局就寝したのだった。

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