正午になり、昼食の時間になった。カフェテラス前で幸村君と待ち合わせをするが、やはりここからでもいい匂いがぷんぷんする。幸村君が綺麗な笑みを形作って私の名前を呼び、またイケメンだと思いながら返事を返した。
「たまには皆で食べないかな?」
「、皆って?」
「立海の皆。青学も氷帝もほとんど集結して楽しそうに食べてるし、そういうのもありかなって思って」
少し驚いたように目をぱちくりとさせ、幸村君は困ったように笑ってそうだねと言った。柳君と真田君と仁王君が寄ってきて、皆それぞれ同意を示してくれた。
「佐々木はいつも同じ献立だな」
「は、はは…」
「日本の文化を大切にしている証拠であろう」
「にしても仁王君、少なくない?」
「これくらいがちょうどいいんじゃ」
「たるんどる!もっと食べんか!」
「育ち盛りなのに…」
「そうだね波江。ほら仁王、これも食べなよ」
「い、嫌じゃアスパラがいっぱい……」
「 食 べ な よ 」
「…………………プリッ」
これはこれで周りから視線を浴びている気がするが、私と幸村君が二人で食べてないからだろう。焼き魚の骨を慣れた手つきで剥がしながら、楽しいなあと素直に思った。
「仁王君の食生活を心配してるなんて、幸村君優しいんだね」
「ふふ、ありがとう」
「(ありゃ完璧に嫉妬じゃろうに、佐々木のやつ全然気付いとらん…)」
「(ふむ、いいデータがとれたな)」