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プロローグ

冷え性の私は、すぐに体の末端である手足が、本当に血が通っているのか疑ってしまう程冷たくなってしまう。そんな11月の下旬に今はあたる。ちなみにあと数日で12月。サザエさんデーである今日もまた、のんびりとコタツに入ってみかんの皮を剥きながらテレビを見ていた。

私は、一匹の猫を飼っている。柔らかい茶色の体毛をもつためマロンと名付けられ、我が家の癒し系として専用のビーズクッションによく鎮座している。また、冬はコタツの中で丸まっていることもしばしば。というのも、5歳の私の誕生日プレゼントにマロンがやって来たのだ。人懐っこく、訪問客が来ると足にすりよってき、私が家に帰ると前足を私のふくらはぎあたりに当ててかまってほしがる。散歩は私の役目であり、平日なら放課後、休日なら朝夕決まったルートを歩く。

いたって平凡な家庭、特に大きな問題なく過ごす平凡な毎日。そう、私自身は至って平凡な女子中学生である。

しかし、そんな平凡な日々を送っているが、一つだけ不思議な出来事が起こる。それは毎月5日。マロンが昼から夕方にかけて失踪するのだ。13時から17時の間約4時間、いったいマロンはどこで何をしてるのか。それは誰も知ることなく謎に包まれている。

だから12月5日の土曜日に、私は真相をつきとめる。


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