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全く表情を変えない子と四天

0619 17:32

感情の起伏がいたって少ない子。怒らないし喜ばないし悲しまないし、何が起きても淡々とサバサバと状況を処理して生活する。


―――――――


「ねえ、なんで名字さんって笑わへんの?」


そんなことを一度、クラスメートの女子に聞かれたことがある。私はクラスの中で"不思議でよく分からないヤツ"と認識されていた。特に仲がいいという友人がいるわけでもないが、それを苦にも楽にも思ったことはない。クラスで団結するときは力になる協調性だってあるし、グループを組む時は率先して誰かが輪の中にいれてくれる。害はこないが中途半端、な立ち位置に私は踏み留まっていた。

出だしの質問に対する解答だが、勿論笑えないわけではない。ただどのタイミングで口角を上げるという動作を行えばいいのか心底分からないのだ。社交辞令としてもそうだし、お笑いの要素に至っても同じことが言える。むしろ後者に関しては理解すらできない。なぜその言動を行えば笑うのかが全く分からない。私は感情に対してかなり無頓着だった。

そんなある日、時季としてはじめじめとした梅雨の季節が過ぎ、まだ清々しい初夏に入りだした頃だった。基本私が毎日通う四天宝寺高校は笑いの心を大切にする変わった校風をもった学校である。そのせいか私がどれだけ周囲がウケているギャグを見ても笑わないことを不審に思ったらしい。校内で最も笑いのセンスに長けていると言われている彼らが私に宣戦布告を申し出てきた。


「俺と小春が力を合わしてのりきれんかった事はない!絶対お前を笑かしたるからな!!」

「ああ、えっと一筋さんと金色さんだっけ」

「一筋とちゃう!一氏や!なめとんのかお前!」

「まあまあええやないのユウくん!私らで名字さんを笑かしましょ!」

「おん、そうやな小春」


―――――――


みたいな感じで始まる話。なかなか笑わない主人公に四苦八苦して、それに興味もった他のテニス部メンバーがなんか関わってきて、なんか皆で頑張って主人公の表情を変えようとする話。

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