「あなたに「テガミ」を送りましょう」


▲ 拝啓
最後のゲームが終わり、私たちは勝った負けた以上の結果を知りましたね。

▲ 戦いの勝敗。
最初の会計戦。
作られた物語内。精神的に「互いを陥れていく」戦いで、壊れていく姿は、あまりに見ていて辛かった。最後に、脚を負傷していた山原さんが「全てを投げても彼奴を幸せだった"人間"だったときに戻す」と仰って、刺し殺して勝ったのには、驚きましたが精神力の強さを感じました。これを予想し強く望んだだけあって、凄く嬉しかった。


次の書記戦。
数分でカタをつける、と言って葉月さんが去ったあと、なにもなかったかのように戻って来た。皆の記憶、書記戦の記憶をなかったことにしてしまった。「勝者:ルイン書記」と書かれた掲示板だけが残っていて。聞いても「ディスペルの書記…梨奈だけ覚えてればいい」の一点張り。ずるいです。


三戦目の副会長戦。
建物、森、全てを何度も壊したり再生したりする、目まぐるしい戦いでした。最初は心理、次は抹消だったゲームが、奪い合う戦いに変わったのが、面白かったですね。辻元さんに踊らされる高宮さん、と見えました。事実上勝ったのは辻元さんでしたが、心を取っていかれたように人形化してしまってまで掴んだ勝利の意味は…


四戦目の庶務戦。
最初から最後まで冷静な藤堂さんと、セクハラ攻撃をする蒼司さん。戦いなのか疑いたくなる言葉のやりとりには呆れました。だけど、戦いのやり方は二人とも高度で。しかも藤堂さんは戦いの最中に仲間を思った賭けをしたり。全ての勝者は、冷徹でいらっしゃいました。


最終戦。
そこでお二人はまるで小学生のような殴り合い喧嘩をされていましたね。二人が同時に倒れたものだから、慌てて駆け寄りましたよ。勝敗がつかなくて困るのはあなた方だけじゃないんですから。
勝った方には出てきて踊ってもらわなきゃ。人形として。
勝敗がつかず、私の出番になったときのお二人の顏、全く同じでした。


▲ ルートの意、ご存知ですか?
未来がわからないから楽しい人生なのです。
未来を見せて「ルートはどちらが勝っても変わらない」ことを知って、今どんなお気持ちですか?
自分の未来を進むために決断した吉宮さんも、自分の過去を守るために戦った柏木さんも、結局はみんな、同じ末路を辿る。

「√」という「預言者」は「起源」を「略奪品」とし、「洋琵琶」で「根音」を鳴らしつつ「道」を歩むのだ。
ルートという、人成らざる力を持つ少年少女は、「紋様」が出、人という生き方を奪われながらも、自身の力を使い人の感情を揺らしつつ、自身の選んだ道へ行く。

それがルートであるんです。
つまりは、そう。


▲ 最後に!
私の望んだお話の中で静かに私の描いたルートをなぞる、最愛なる人達。

勝った負けた以上の結果を知りましたね。出れないという結末。
これからも、あなた方は私の物語の中なんです。
箱庭で生きる、最愛の、御人形。



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