かれこれ黒子くんと黄瀬くんと雑談を楽しむこと10分。そろそろつまらなくなってきたんだけど…話の内容といえば黄瀬くんのさり気ないモテ自慢と黒子くんによる私の観察日記だ。おいおい黒子くん君怖いよ!いつ見てんだよ!なんで私の生理日予測してんの!?やめてええ!


「ていうかさ何なの、バスケ部なんでこんなに集まり悪いの?馬鹿なの?アホなの?死ぬの?」
「そういえばみんな今日は遅いっスよね〜赤司っちが遅刻なんて珍しいっス」
「今日は委員会の集まりだったじゃないですか。二人共ちゃんと行ったんですか?」
「行ったけど話す内容なくて3分で終わったよ」
「………クズですね」
「ちょっとボソッと悪口言わないでくれる!?私達園芸委員会を舐めないでよね!」
「どうせ名ばかりの花の水やりとかでしょう」
「………………」
「どうやら図星らしいですね」


ふふ…黒子くんにすべてを見透かされたくらいじゃ同様しないんだから……!いや本当に図星すぎてびっくりしたけど。
ちなみに黒子くんは図書委員で黄瀬くんは文化委員らしい。

委員会の話しも一区切りついた所で話すネタも無くなりしばし沈黙…。
すると体育館入口からなにやらドカドカと大分大きい足音とそれを追いかけるようにパタパタと可愛いらしい足音が聞こえてきた。徐々に近づいてくる足音に3人は入口に目をやる。

「あーくっそ委員会とかだりぃわ。練習時間減っちまったじゃねえか」
「もーっ!ちゃんと話し合いに参加すれば早く終わったのに!大ちゃんが悪いんだよ!」
「ピーピーうるせえよさつき。お、テツに黄瀬なんか今日早えじゃん!…あ?名前?」
「…あ、あおっ、あ、あおお、あおみ…」
「なに喘いでんだよ」
「ななななんで、あおっ、青峰がバスケ部にいるの!?」
「バスケ部だから」
「いやああああ!私辞める今すぐ辞める!短い間でしたがありがとうございました!」


まさか奴がバスケ部だったなんて!私も世間に疎すぎた!あーもうなんで私ケーキバイキングになんて釣られちゃったんだよお…こんな所いたら私がバイキングされちゃうよ…


「なに逃げようとしてんだよ。」
「ひいやああああ!!いだっ痛い痛い首根っこは痛いから!!」
「コラ大ちゃん!名前は今日からバスケ部のマネージャーをしてくれる事になったんだから!マネージャーに乱暴はしないでよね!」
「は?マネージャー?お前が」
「違います人違いです」
「そうっスよ青峰っち!名前っちは貴重なマネージャーなんすから」
「やめてえええ…前言撤回するから…私マネージャーなんかしたくないです」
「でももう書いちゃいましたしね、入部届」


ヒラヒラと私の目の前で泳がす黒子くん…。やめて!なんの恨みがあってそんな鬼畜なことするんだよ!なんだその「欲しけりゃ取ってみろよ」みたいな目線は!
首根っこを掴んだままの青峰は私を見てニンマリと悪人のような面で笑った。むかつく…めっちゃむかつく


「良かったな、名前。また俺と一緒に過ごせるんだぜ?」
「良くねえよ!お前とは嫌な思い出しかないんだよ!」
「そんな強がんなって…つーかお前また胸ちっさくなってねえか…?おま、これはやべーぞ」
「触んなあああああ!!この変態がああああ!!」


青峰とは一年の時に同じクラスだった。良い思い出なんて一つもないけどな!
授業中に落書きを回してくるわ、テスト中に話しかけてくるわ、そのおかげで私まで先生に怒られるし…。それに私が買った昼御飯のパンはいつもヤツに食べられていた。私の大好きな、やきそばパン…。思い出したらなんか悲しくなってきた…。

「もうやだ…やっと2年になって青峰から解放されたと思ったのに」
「…A?いやギリギリBか?」
「いつまでも人の胸揉んでんじゃねえよ!!」
「仕方ねぇ、毎日揉んで育ててやるか…」
「もう私まじでバスケ部辞めたい」


私、こんな変人の集まりの中でやっていける気がしない。






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