私の部活には悪魔がいる。それはそれは暴力的で何かあればすぐに「轢くぞ」とか言ってくる。最低最悪極悪人なんだ!だから私は今日この部活を辞める。もうあんな悪魔にこき使われるなんてまっぴらだ!今から中谷先生に全てを打ち明けて退部届を出してやるんだから!!

「よお名前チャン。何持ってんだよ」
「みっみみ宮地先輩いつの間に!!」

そう思った矢先に悪魔の登場だ。この宮地清志先輩こそ私を悩ませる悪魔なのだ!!くっそー早めに部室来たのに早速見つかっちゃったよ

「おら、見せろ。轢くぞ」
「たッ退部届ですよ!!私は今日バスケ部を辞めるんです!もう宮地先輩とはおさらばなんですからねっ!今まで散々私を苦しめた行為、包み隠さず中谷先生にチクってやりますからね!!」
「中谷先生今日休みだけどな」

その瞬間に私の血の気がサァーと引くのが分かった。同時に宮地先輩は悪魔のように微笑んだ。あ、私終わった

「名前…良い度胸だなあ。俺から逃げようなんて」
「うっ、嘘、嘘ですよ宮地先輩!!あはは私そんな事しませんよお」
「んじゃその退部届寄越せ。俺が綺麗にシュレッダーにかけといてやる」
「いやあああ!!先輩の悪魔ああああ!!」

たとえ中谷先生が今日いなくともまた後日出せば良いと思っていたのに…私が3日かけて悩みながら書いた退部届はシュレッダーによって一瞬で粉々になってしまった。おのれ悪魔宮地清志め。どこまで悪魔なんだ!きっと宮地先輩の心は黒ですよ真っ黒!!

「お前奴隷のクセに逃げ出そうとするなよ。轢くぞ」
「ううッ…奴隷じゃないですもん!大体宮地先輩は人使い荒すぎです!!……このチャラ男タラシ」
「はあ?いま何つった?本当に良い度胸だな、おーい」

ニコニコしながらじりじりと距離を詰めてくる宮地先輩から逃げていたら、いつの間にか後ろはロッカーで逃げ場が無くなってしまった…くそう、コレが目的だったなコンチクショー!

「み、宮地先輩…近い…です」
「なに?照れてんの?言っとくけど逃がさねーぞ。逃げたら轢くからな」
「うう…何でも言うこと聞くんで離して下さい」
「へえ〜何でも?」
「…な、なんですかその怪しい目つきは」
「何やらせようかな…あ、お前指フェラとか出来る?」
「………は」

すると宮地先輩は「そんぐらい知ってるよなァ…暇だしやってみろよ」と右手を顔の前へ突き出した。いやいや待て待て待て。指フェラってなんだよ知らねーよ。と宮地先輩の手を見ながら悶々と考えていたら宮地先輩の方から無理矢理口へ突っ込んできた。

「…んぐ!?ひょ、しぇんぱ…っ!」
「あー噛んだら殺すから」
「ふぇ!!」
「おら、ごちゃごちゃ言ってねーで舌動かせや」

宮地先輩の細い指が舌を撫でるように触る。殺されるのは嫌なのでとりあえず先輩の指を舐める。宮地先輩の指はただ口の中に置かれているだけで何もしてくれない。

「お前ヘタクソ。もっと舌動かせって」
「…っん、ふ…ふぁい…」

先輩の手首を弱々しく掴む。口に入っている先輩の指をなぞるように舐る。細いわりにしっかりしている指には所々マメやタコを潰したような形跡がある。爪も手入れされていて凄く綺麗だ。

私と宮地先輩しか居ない部室に嫌な水音と荒い呼吸が響く。それなのに宮地先輩は至って変化なく涼しい顔してる。なんだか恥ずかしい思いをしているのは私だけみたいじゃん
吸ってみたり、指を外に出して煽るように舐めてみても先輩は微動だにしない。

「お前マジヘタクソだな。おら、俺が指動かしてやっから」
「…んぅ、ふぁ…っい…ご、めっにゃ…ふぁい」
「うるせーよ。謝る位なら最初からちゃんとしろよ、ボケ」

宮地先輩の指が舌を摘んだり引っ張ったり、私が舌を絡ませればそれに合わせ指を動かす。宮地先輩が指を口内から抜き外で舐めろと言ってきたのでチロチロと先輩の細い指を舐めた。私の口からはだらしなく唾液が垂れている。

「…っはぁ…名前」
「…ふ、あい」

宮地先輩に呼ばれて先輩の方を向くと彼は顔を真っ赤にして少しだけ息が荒い。
一旦指を離し大丈夫かと先輩に手を伸ばしたら、その腕を引かれ抱き締めるような形でキ、キスされた。

「…ん、やぁ…せっぱぁ…」
「チッ…るせー黙ってろ轢くぞ」

先輩の舌が逃げる私の舌を捕まえて絡ませる。息が苦しくなって先輩の胸を叩くが離してはくれない。限界になり自ら身を離すとようやく唇が離れた。

「…っはぁ、先輩のっ、嘘つき!」
「ああ?お前何でもするって言っただろ。」
「こっ興奮したからってキ、キスまでするなんて!!最低です!!」
「はぁ!?馬鹿か!興奮なんかしてねーよ!轢くぞ!!」
「しッしてましたよ!!私が指舐めてる時一瞬先輩の顔真っ赤で呼吸も荒かったもん!!」
「ああ?お前の見間違いだろ!!」

すると宮地先輩は練習に行くとか言って部室を後にした。くそう宮地先輩逃げやがったな!!
追いかけようと思い部室の扉を開けると真っ赤な顔した緑間くんと不敵な笑みを浮かべる高尾くんが立っていた。

「…ぶ、部室で不純異性行為は止めるのだよ」
「はぁ〜宮地サンに見つからなくて良かったぁ…あ、名前ちゃん喘ぎ声超可愛いね!今度俺と真ちゃんにも指フェラやってよ!」


これ程死にたいと思った日は無かった。
くそう覚えてやがれゲス宮地先輩め。