※下ネタ※高尾と緑間が変態




「290円になりまーす」

目の前の店員さんは明るい声で私に素敵な営業スマイルを振りまいた。
一方の私はそんな営業スマイルにも釣られず絶望感の中、財布から全財産の300円をソッと店員さんへと渡す。ああ、グッバイ私の全財産。



「最悪!!」
「おっ!サンキュー名前」
「ふん、早く寄越すのだよ」

本日の最高気温35度。太陽が散々と照りつける中、日陰の公園で待っていた二人の男に先程全財産をはたいて買ったアイスを手渡した。


「もう最悪…私の全財産が…アンタ等のアイスになるなんて…」
「仕方ねーじゃん?大体言い出しっぺは名前じゃん」
「お前の星座は今日12位だ。これも運命なのだよ名前」
「むぐぐぐ…!」

遡ること10分前。部活が終わり三人で帰宅中に事件は起こったのだ。
暑さに耐えきれなかった私達はコンビニでアイスを買うことにした……までは良かった。
「じゃあさ、ジャンケンに負けた人が奢りにしようよ!」この私の一言さえ無ければ…。いや結局は言い出しっぺの私が負けたんだけどね。


「うう…お金足りなくて自分の分買えなかったし…」
「いただきまーす!あー冷たっ!うっま!」
「…………」
「ふむ、やはり夏は冷たいものに限るな」
「…………」
「あれ?名前食わねーの」
「うっさい!!嫌味か!?嫌味だな!!本当に君ら性格悪いな!!」


私に見せびらかすように目の前で美味しそうに食べやがって!!くっそ!!言っとくけどそのアイスは私が全財産をはたいて買ったアイスだからな!!


「名前、欲しいか?」
「えっ!くれるの!?」
「ああ、いいぞ」
「緑間天使!!いただきま……ん?」

さっそく緑間のアイスを食べようとしたが……な、なぜ緑間くんはさっきから避けるのかな?早くくれよそのあずきアイス。

「タダで貰おうとは贅沢な奴なのだよ」
「……え?」
「人から物を貰うのならそれ相応の態度というものがあるだろう?」
「ぶっは!!真ちゃん流石だな〜、ほら名前。ちゃーんとおねだりしろよ」
「は、はぁ…。アイス下さい」
「駄目だ」
「なんで!?」
「もっとちゃんと言え。いやらしく、おねだりしてみるのだよ」
「ちょ!なんで!?何でいやらしく言わなきゃいけないの!?」

緑間の顔を見ても冗談を言っているようには見えなくて…というかマジだ。真剣だコイツは。
すると隣で笑っていた高尾が私に耳打ちしてきた。


「は?やだよ!無理無理」
「いーからやってみろって!」
「どうした、早くするのだよ」
「ぐぬぬぬぬ…」
「それ言えたら俺のもやるから」
「わ、わかったよ。言えば良いんでしょ!」


緑間の目の前に立ち、明らかに身長差のある緑間を下から見つめる。


「みっ、緑間の美味しそうな棒アイス、可哀想な私に恵んで下さい…」

はっ、恥ずかしいいい!!死ねる、私死ぬわ。くっそ高尾!!よくお前もこんな言葉思いつくな!!

「み、みどり…っんぐ!」
「合格なのだよ。思う存分俺のを舐めるといい」

ちょっと待て俺のって何だよ!?舐めるのはアイスだよ、アイス!!

「ん、ふっ…ひょ、突っ込みす、ぎ」
「………」
「んぐっ、ふぁ…んっあう…」
「うっわ…名前エッロ」
「…はぁ、名前、名前」

緑間がアイスを奥まで突っ込むので息が出来ず、口からはアイスか唾液か分からないものが顎を伝っていく。
それを間近ガン見してくる高尾。頬を少し赤らめ息を荒くしながら私にアイスを突っ込んでくる緑間。……やばい。変態しかいない。


「っはぁ、はぁ…も、なんなの…」
「名前俺のも舐めて…」
「何を!?私が舐めたのは緑間のアイスだけど!?」
「いやらしい奴なのだよ名前…」
「テメーが普通に食わせてくれなかったんだろ!!」

緑間のアイスは殆ど溶けた状態になっており最後の一口を緑間が舐めとった。
一方の高尾のアイスはパピ●であり二本のうち既に一本は食べ終わっていた。高尾はニヤニヤと何か企むような表情をしながらもう一本を私に差し出した。

「ほら、さっきの約束だ。食えよ」
「え!いいの?」
「ただし俺が食べさせる」
「またそのパターン!?いやいやパ●コとか普通に一人で食べれるけど!?」
「なに恥ずかしがってんだよ〜大丈夫だって、俺が気持ちよくしてやるから」

そんなイイ声で言われても嫌なものは嫌なんですけど。そう言おうとした手前、高尾も私の口に無理矢理アイスをねじ込んできた。

「んぐっ!」
「ほら、沢山吸えよ?いっぱいあるんだからよ…」
「……ちゅ、ちゅ」
「んっ…名前…激しっ…」
「……じゅー」
「あ、はっ、ヤるじゃん?ほらもっと欲しいんだろ?はぁ、はぁ」
「………」

やばい。こいつは緑間よりやべえよ。変態通り越して変人だよ高尾。
高尾の手によって握られたアイスを私ただ黙々と吸っているだけなのに高尾はそれを見て何故かハァハァと息を荒げ興奮している。

「…たきゃおふりゅさい」
「ああ?そんなお喋りしてる余裕どこにあんだよ。ちゃんとくわえてろよ!」
「もうやだ!!なんなの!?私食べてるのアイスなんだけど!?」
「あっ、オイ馬鹿!急に離すなって……あっ」


高尾の興奮状態が非常に危なかった為、口にくわえていた●ピコを口から離すとそれまで私に食べさせる為に高尾によって握り締められていたパ●コが勢いよく飛び散った。

「ちょっ、とお!!顔にかかったじゃん!あーもうベトベトする」
「……高尾」
「……ああ、真ちゃん。俺、ホワイトサワー味選んだの間違いじゃなかったわ」
「な、なに?」
「「顔射みたいだな」」
「ふっざけんな!!」


二度とコイツ等とはアイスを食わないと誓った夏であった。