私の上司は冷たくて、意地悪で暴力的な最悪な人です


「ほう…私のこと、そのように思っていたのですか。なら、私のことで頭いっぱいの貴女に書類をプラス10枚差し上げますよ」


「ふええええ!?ランス様の意地悪!どえす!きちく!」

「プラス10枚」

「う、嘘です!嘘です!今のは嘘ですからぁ…」


昨日夜勤でやっとこそ終わらせた書類に私が書いたラクガキを消し忘れが残っており、そのままランス様に書類を渡したら秒でバレてしまった。
仕方ないじゃないか、昨日いきなり膨大な量の書類を渡しておいてそれを明日までに提出しろなんて。おかげで私はデスクで夜を明かしたよ。そりゃストレス溜まるよ、貴方を恨みたくなるよランス様。


「しかもこの書類、誤字ありすぎですよ」

「だっ、だって眠くて…」

「はい?」

「な、なんでもないです…ごめんなさい…」


いつもこんな調子で怒られる日々だ。いつもはこの辺でアテナ様が助けてくれるんだけど今は早朝でここには私とランス様しか居ない。
ちなみにランス様はいつも早朝出勤で誰よりも早く職場についている。


「全く貴女は何度同じミスを重ねれば良いのですか」

「すいません…ふぁ…」

「………」

「ふぎゃっ!〜ったい何するんですかランス様ぁ」

「上司の前で欠伸とはいい度胸ですね、名前」

「あう…ごめんな…きゃう!」

「ああ、先程よりは少しばかり女らしい声になりましたね」

「な、何でぶつんですかぁ…!」


欠伸をして怒られてぶたれたのはまだ良しとして、何も二回もぶたなくても!


「………ムカつくので」

「そっ!それが理由!?」

「うるさい」

「ひゃんっ…!いった!」

「ふむ…叩くばかりでは駄目ですね、これではよりいっそう馬鹿に成りかねませんし…」

「うう〜…失礼ですよ!ランス様のばかぁ」

「あぁ、ではその減らず口から教育しますか」


腕を引かれランス様との距離が一気に縮まったと思ったら、後頭部にランス様の手が周り勢い良く唇に噛みつかれた。


「…っ!んっ…ふ!」


普通のキスならまだしもこのくそ上司、舌まで入れて来やがった。こんなキスしたことないし、ていうか私キス初めてなのに


「や、だ…!っ!」

「貴女がいけないのですよ。しっかり反省しなさい」


酸素。酸素が欲しい。
逃げても追ってくる舌に捕まって、苦しい位に口内犯されて酸素足りないしおかしく、なっちゃうよ

どちらの唾液かも分からないものが顎を伝う。
それと同時に涙も出てくる。苦しい。早く離して欲しい
息が限界に達しどうも足に力が入らなり、腰が抜けてその場に座り込んだ。


「キスの時の呼吸の仕方も分からないのですか貴女は」

「っは…ふ…っ」


私を見下ろすランス様はすこぶるご機嫌の様で私が荒く酸素を求めている姿を見て、楽しそうに鼻で笑った


「書類は見逃してあげます。ただ条件があります」


条件?と小さく呟けば、ランス様は楽しそうな顔で座り込む私を床へと押し倒した。


「私が満足いくまで、そして貴女が泣くまで存分にお付き合いしてもらいましょうか」


ね、簡単でしょう?
彼は答えを待たずに服に手をかけた。


誰かこの冷酷(笑)上司を止めてくれ