んー今日は快晴めちゃくちゃいい天気。こんな日はばっちりお洒落してグリフィンドールの談話室に行って男の子と話にいくにかぎる。ううん、わたしはビッチじゃないのよ、だってただの男の子じゃ意味ないの。シリウス・ブラックに近づける男の子じゃないと!最初はレギュラスにいろいろと聞いていたけど、レギュラスはどうやらシリウスのことが嫌いみたいで有力な情報は得られなかった、でも弱みは握れそう。うわあかわいそうなお兄ちゃん。わたしのこの大きな愛であなたの心を癒やしてあげる!

「あら、ジェームズ、リーマス!ごきげんよう」
「やあ、君、また来たの」
「懲りないねー」
「ただお喋りしにきただけだよ、うちの寮の男の子冴えないんだもの」
「ああ、ハッフルパフは、うん…たしかに」
「あはは、正直なんだね、ジェームズ」
「名前、チョコでも食べるかい」
「いただきます!ありがとうリーマス!」
「はは、シリウスが戻ってくるまで好きなだけどうぞ」
「やだ、知ってたの?」
「そうじゃなきゃわざわざ僕たちのところまで来るはずないだろ」
「そこらへんの女の子と一緒にしないで」
「あれ、君、女の子だったの?」
「ちょっと、レディに失礼よ」
「はははっ」

しばらく3人で他愛のない話をする。ジェームズもリーマスも、シリウスに対するわたしの異常なまでの努力、執着を知っている。そのために食事にも普段の言動にも気をつけている。そのことを2人と、レギュラスは知っているのだ。いや下心丸出しで近づいたわたしに気づかないひとなんてきっといない。

「ねえ、名前はよく僕たちに近づけたね」
「嫌われるかもしれなかったから一か八かだったけど」
「君みたいにひたむきな人に愛されて、シリウスは幸せ者だよ」
「ちょっと歪んでるけど」
「リーマス!」
「あはは」
「まあストーカーまがいといったらそれまでだね」

二人してひどいわあ、と2つめのチョコを手にとって、ソファに深く腰掛けた。だいたいジェームズに言われたくないよ。ボソッと呟いたら、またリーマスにあははと笑われた。リーマスはモテるからたぶん自分から頑張らなくてもいいんだろうな。ジェームズもなんだかんだうまくいきそうだし、イケメンって得だよねっていっつも卑屈になる。まあわたしはわたしなりのわたしらしさがあるからいいんだけど。あは。

「あれ、名前!また来てんのか」
「あ、シリウス!うんっ」

階段から急いで降りてきて、王子様みたいな笑顔をうかべてわたしの前に座るシリウス。にこにこにこにこ。屈託のない笑顔がちょうかわいい。

「なんだよーシリウス来ちゃったのー」
「え、なんだよ俺居ちゃだめなのかよ」
「全っ然!そんなことないよ!逆にジェームズがいらない!」
「うわ本音でたー」
「名前ひどいよ!しくしく」
「ジェームズうざー」

しょんぼりしてたシリウスはまるで、叱られた犬みたいだった。耳がへたれて尻尾も力をなくして、でもそんなシリウスより今は喉を鳴らしてリラックスする猫みたいな小悪魔的笑顔をうかべるシリウスのほうが好きだな。その灰色の瞳がわたしをとりこにすること知ってたりして、いやそんなはずない。ああシリウス、すき。

「なんか最近僕らにたいして冷たくない?」
「愛情の裏返しだろ〜」
「ジェームズうざー」
「しくしく」
「だってまじで君たちうざいよ」
「ひどいなあ、ねえシリウス」
「え、俺も?」

またしょぼんとへこたれた子犬に。リーマスはにやり、こいつのこの笑顔はなんなんだ確信犯か。

「いやちがうよ、わたしシリウス大好きだし」
「あ、告った」
「告った」
「うわ!俺も!名前!好きだし!」

尻尾をパタパタ振って立ち上がったシリウスは、わたしのほうに身を乗り出してきて、ぎゅうと抱きついてきた。かかかかかわいい。わたしいまなにされてる?シリウスに?抱きしめられてる?計画通り?

「シリウス?」
「なんだ!」
「ほんとにわたしのこと好き?」
「当たり前だろ」
「わたしのためなら何でもできる?」
「もちろん!」
「女遊びもしない?」
「後腐れなく全員振れるのかい?パッドフット君」
「ああ、全部手を切るし、名前を傷つけたりもさせない」
「神に誓う?」
「ああ。神にでも名前にでも」
「やーんシリウス大好きー!」


おまえはただわたしを愛していればいい
091019
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