束の間の休息
対抗戦を終えた両チームはフィールド外で次の対抗戦を観戦していた。
途中、リンネがリョクの腕が切れていることに気づき少し手当をした程度で両チーム共に特に目立った怪我もなく無事に対抗戦を終えることができた。
そこでふとリョクが思い出したように姫に声をかける。
「姫さんのフォローはとてもよかったですね。ですがまだ未熟な面もあるようです。よろしければ今度僕達と練習しましょうか。」
「い、いいんですか…?」
劉院の後ろに隠れていた姫がひょっこりと顔を出した。彼自身いい加減にしてほしいと思っていたところなので彼女の背中を押しリョクの目の前に立たせた。ひっと声を挙げたもののおずおずと「よ、よろしく…お願いします。」と誘いに乗っかった。
「はい。時間がある時に誘いますね。」
「姫ちゃん!一緒に頑張ろうね!」
「は、はい…!」
と、そこで未だに納得がいかないらしくむすっと頬杖をついていた伊折がん?と声を漏らした。はて、と全員が不思議に思ったその矢先、リョクの頭に何かが重くのしかかった。
「リョクー久しぶりやんなあ!」
「れ、玲央さん…!」
突然現れた金髪にオッドアイの男。驚いたリョクが名前を呼び伊折と花鈴があーあと苦笑いを浮かべた。
他のメンバーには何がなんだか、というより誰だ、という印象が強いのであろう。黙って不思議そうに男を見上げた。
「なんであなたがここに…というか、重いです…。」
「なんやと!リョクひ弱になったんちゃう?」
「人の頭の上で話すのは失礼だと思いませんか?とりあえずどいてください…!」
しゃーないなーと渋々頭の上から移動しリョクに対して反対側に立つ。で、何かご用でも?と呆れたように髪の毛を整えながら聞いた。
「用なんてあらへんよー。ちょっと暇やったから遊びに来ただけや。自分等の対抗戦見てたでー。」
「最初からいたんですか?もっと早く声をかけてくれればいいのに…。」
「リョクがあんまり楽しそうやったから邪魔したら悪いかなー思て。先輩のやっさしー気遣いやで!」
なんて会話を交わしているところでちょうど最後の対抗戦が終わったらしい。ふとリラが腕時計を確認する。ふうむと考え込んでいる。
「ちょっと時間が余ってるね。他のフィールドはまだやってるようだし…そこのあんた暇なら手合わせでもしてやってくれない?」
「んお?俺?んーせやなーどうせ暇やしええでー。」
「そんな勝手な…いいんですか?」
リラに声をかけられ軽く承諾した彼にリョクは呆れたように言った。すると彼はへらへらと笑顔を浮かべながら大丈夫大丈夫と彼の頭をぽんぽんたたく。せっかく整えた髪を再びぐちゃぐちゃにされ少々不服そうにそうですか…とため息をついた。
「ほんならリョク、フィールド入り?」
「僕ですか!?僕はちょっと…。」
「いいじゃないか。いっといでよ。」
「ほらほら、とっとといったいった。大丈夫。負けても成績には関係ないから。」
「花鈴さんまで…先生は本当に勝手ですね…。」
少々気に食わないようだが渋々といった様子でフィールドに入る。2度目の対戦にやれやれと息をついた。
「ちょっと伊折、結局あの人誰なの?」
「ん?リョクの先輩。卒業して1年しか経ってねーし3人は分かるだろ?」
「あ、はい…。時々遊びにきてました…。」
「なんていうか、変な人、だよな…。」
伊折に振られトキは頷いただけであったが3人が応える。確かに彼は時々遊びに来てはリョクに会いに来ていた。だが、正直あの人は3人にとって苦手な人物でもある。
「リョクのペースを乱せるのはあの人くらいだよ。」
セナの言葉にあの人が…?と全員が玲央を見た。確かに、先程の会話からしてもペースを握っていたのは彼のような気がする。
ふと、花鈴が楽しそうに笑った。
「今日はほんとに面白いことだらけだね。来てよかったよ。」
途中、リンネがリョクの腕が切れていることに気づき少し手当をした程度で両チーム共に特に目立った怪我もなく無事に対抗戦を終えることができた。
そこでふとリョクが思い出したように姫に声をかける。
「姫さんのフォローはとてもよかったですね。ですがまだ未熟な面もあるようです。よろしければ今度僕達と練習しましょうか。」
「い、いいんですか…?」
劉院の後ろに隠れていた姫がひょっこりと顔を出した。彼自身いい加減にしてほしいと思っていたところなので彼女の背中を押しリョクの目の前に立たせた。ひっと声を挙げたもののおずおずと「よ、よろしく…お願いします。」と誘いに乗っかった。
「はい。時間がある時に誘いますね。」
「姫ちゃん!一緒に頑張ろうね!」
「は、はい…!」
と、そこで未だに納得がいかないらしくむすっと頬杖をついていた伊折がん?と声を漏らした。はて、と全員が不思議に思ったその矢先、リョクの頭に何かが重くのしかかった。
「リョクー久しぶりやんなあ!」
「れ、玲央さん…!」
突然現れた金髪にオッドアイの男。驚いたリョクが名前を呼び伊折と花鈴があーあと苦笑いを浮かべた。
他のメンバーには何がなんだか、というより誰だ、という印象が強いのであろう。黙って不思議そうに男を見上げた。
「なんであなたがここに…というか、重いです…。」
「なんやと!リョクひ弱になったんちゃう?」
「人の頭の上で話すのは失礼だと思いませんか?とりあえずどいてください…!」
しゃーないなーと渋々頭の上から移動しリョクに対して反対側に立つ。で、何かご用でも?と呆れたように髪の毛を整えながら聞いた。
「用なんてあらへんよー。ちょっと暇やったから遊びに来ただけや。自分等の対抗戦見てたでー。」
「最初からいたんですか?もっと早く声をかけてくれればいいのに…。」
「リョクがあんまり楽しそうやったから邪魔したら悪いかなー思て。先輩のやっさしー気遣いやで!」
なんて会話を交わしているところでちょうど最後の対抗戦が終わったらしい。ふとリラが腕時計を確認する。ふうむと考え込んでいる。
「ちょっと時間が余ってるね。他のフィールドはまだやってるようだし…そこのあんた暇なら手合わせでもしてやってくれない?」
「んお?俺?んーせやなーどうせ暇やしええでー。」
「そんな勝手な…いいんですか?」
リラに声をかけられ軽く承諾した彼にリョクは呆れたように言った。すると彼はへらへらと笑顔を浮かべながら大丈夫大丈夫と彼の頭をぽんぽんたたく。せっかく整えた髪を再びぐちゃぐちゃにされ少々不服そうにそうですか…とため息をついた。
「ほんならリョク、フィールド入り?」
「僕ですか!?僕はちょっと…。」
「いいじゃないか。いっといでよ。」
「ほらほら、とっとといったいった。大丈夫。負けても成績には関係ないから。」
「花鈴さんまで…先生は本当に勝手ですね…。」
少々気に食わないようだが渋々といった様子でフィールドに入る。2度目の対戦にやれやれと息をついた。
「ちょっと伊折、結局あの人誰なの?」
「ん?リョクの先輩。卒業して1年しか経ってねーし3人は分かるだろ?」
「あ、はい…。時々遊びにきてました…。」
「なんていうか、変な人、だよな…。」
伊折に振られトキは頷いただけであったが3人が応える。確かに彼は時々遊びに来てはリョクに会いに来ていた。だが、正直あの人は3人にとって苦手な人物でもある。
「リョクのペースを乱せるのはあの人くらいだよ。」
セナの言葉にあの人が…?と全員が玲央を見た。確かに、先程の会話からしてもペースを握っていたのは彼のような気がする。
ふと、花鈴が楽しそうに笑った。
「今日はほんとに面白いことだらけだね。来てよかったよ。」