Just be friends | ナノ
 
無気力な飽和水溶液






Just be friends All we gotta do
Just be friends
It's time to say goodbye
Just be friends All we gotta do
Just be friends Just be friends
Just be friends...

浮かんだんだ 昨日の朝早くに
割れたグラス かき集めるような
これは一体なんだろう
切った指からしたたる滴
僕らはこんなことしたかったのかな







初めの内は只見ているだけ、
それだけで良かった。
気高くて崇高な君は僕には眩しすぎるから。

だけど、何時からだろうか。

いつも君のことを見ていたら、近付きたいと思い始めてる自分がいた。

無理矢理にでも君を手に入れてしまいたくなった。

そして、手にいれた、
と思っていた。


君はいつでも
僕より先を歩くんだね






01. 無気力な飽和水溶液 
───────────
         (入江side)


考え事をしていたら、手に持っていたグラスを落としてしまった。

ガチャン

まるで僕らの関係が終わったかのような音がしてグラスがばらばらになって割れた。

自分で何をやっているんだ、と思いながらもグラスをかき集めた。


そうやっている間に昨日の朝早くにみた夢が頭に浮かんできた。

─そういえば、昨日の夢の中の
 僕もガラスを割って、それで…

考え込んでいたら、誤ってグラスの角で指を切ってしまったようでちりっと痛みが指に走り、血が流れる。
「いた…」

痛いと声を漏らしたが処置もせず、切った指から滴る血の雫を見ていた。
しばらくそうしていたら胸にも指先と同じような痛みがした。

「はは…一体何だろうね…」


故意による怪我ではないが、何故か自分から怪我をしたように思えたのは感傷に浸っているからだろうか。


僕らはこんなこと、したかったのかな

最初は違った筈だ、と思いながら救急箱を探しにいく。


何も考えずに行動をしているとどうしても彼のことを考えてしまう。

そんな自分に嫌気が差したが、それでも考えずにはいられなかった。



(それくらい君に惹かれている
 僕が女々しくて嫌いなんだ)
[*prev] [next#]


[しおりを挟む]




無気力な飽和水溶液