赤ブン | ナノ
 
寂しくて


               (3/3)

入ってきたのはテニス部の三年生だった。ブン太と赤也が心配で此処まで来たのであった。


「赤也が丸井を襲った確率…97%」
「おー、おー青臭いのう」
「心配して来ましたが大丈夫のようですね」
「赤也もやるね、保健室でヤるなんてさ」
「なぁ、俺ら来ちゃ不味かったんじゃないか…?」
「な、何をしとるんだ丸井と赤也は!」
「真田うるさいよ」

柳、仁王、柳生、幸村、ジャッカル、真田の順に保健室に入ってきた三年生たちの会話に二人はぎょっとする。

此処で事を致したことを気付かれている。しかも全員に。

二人はどうやってこの場を切り抜けようか考えていた。そのときに、幸村が此方に歩み寄ってきた。そして、カーテン越しにあるベッドの中の赤也たちに話し掛ける。

「赤也、続きヤっても良いんだよ?」
「こら幸村!止めんか!大体俺たちは何のために此処まで来たのか分かってい…」
「幸村、開けちゃいかんぜよ。きっと二人は最中ナリ」
「仁王が本当は開けて欲しいと思っている確率、95%」
「プリ」
この先輩たちは何を言っているんだと心に思っていても口に出さない俺偉いなー、と自虐的になっている赤也に、ブン太は蹴りをいれる。そして、小さい声で赤也に言う。

「良いから早く抜け!そんで着ろぃ!」
「え、だって処理してな…」
「ンなこと良いンだよ!カーテン開けられたら公開処刑されてるのも同然なんだぞ!」
「それもそうっすね。…じゃあ抜きますね、」

赤也は気付かれないように慎重に体内から抜いていく。順調に進み、先端がもう抜き終わるというときに幸村が動いた。

「ちょっと、先輩を無視するなんてどういうことなの?あか、や…」
幸村は悪気なくカーテンを開けてしまった。そして、男同士の情事後の姿をバッチリと見てしまった。それは他の三年生たちも同じなわけで。

「っ!うわぁぁぁあ!」
「ちょっ、先輩早く閉めてください!」
ブン太は悲鳴をあげ、赤也は焦りながらも幸村に何とか言葉を発する。
しかし、幸村はその光景を見た瞬間に気絶をしてしまったらしく、赤也の声は彼に届かなかった。真田はキエエエやらなんやら奇声をあげ、柳は顔を赤くし彼らから目を逸らしている。柳生は仁王に目を隠され、仁王はにやにやと二人を見ていた。ジャッカルはパートナーの危機にも関わらず、既に保健室から姿を消していた。

ブン太は怒りを抑えながらも赤也に怒鳴る。
「赤也…、お前とはもうヤらねえ!」
「ええぇ!?俺の所為っすか!?」
「もう知らねえ!」
ブン太は到頭怒りを露にし、ベッドから降り、服を拾い集め簡単に着て保健室から出ていってしまった。

「赤也、残念だったのう」
「丸井先輩…折角あそこまで良かったのに…」
「取り敢えず赤也も着んしゃい」
「はい…」
途方に暮れる赤也の姿を見て、仁王は内心笑っていたのであった。


end






おまけ

「赤也…すまない」
「良いんすよ…保健室何かでヤった俺が悪いんす…」
「そうだよね、全部赤也が悪いんだ!」
「幸村のその扱いのギャップには参るぜよ」
「あ?」
「…あ、ブンちゃんナリ」
「よぅ、仁王、幸村くん!どうしたんだ?こんなとこで。俺も混ぜ…うげ!ワカメ野郎じゃねぇか!仁王、待たな!」
「わぁぁあん!先輩ぃぃい…!」
「赤也、可哀想だね…」
「…そうじゃな」

             20130225


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