\南倉/ | ナノ

ときめき☆南倉リアル
えい子小冬で南倉布教!



眼鏡は反則です / 咲
11/09/02(Fri) 01:44


シャープペンシルが紙を擦る音と、紙を動かす音と、それから閉め切った窓の外から蝉が喧しく鳴く音が聞こえるだけの、六畳の部屋。

久々に部活がオフなオレは、夏休みの山積みの課題を消化しに受験勉強で忙しいであろう南沢さんの家に上がり込んでいる。
学生の本分は勉強だ。大量の課題を前にやる気が起きなかったそんな時、お誘いのメールが入り今に至るわけだが。

一緒に勉強するのは初めてではない。今まで何度も、テストの度にこういう事があった。
しかし毎度どうしても見慣れなず気になってしまうものがある。

それは南沢さんが眼鏡を掛けていること。

何度見ても、普段からえろい南沢さんの色気を眼鏡によって増幅されているようにしか見えなくて。
右手を動かしつつも、ふとちらりと正面を向けばその流し目に気を取られそうになってしまう。


思わずぼぅっと眺めていると、こちらの視線に気付いた南沢さんはにやり、と笑う。眼鏡の上の隙間からこちらを見て。

「今、俺に見惚れてただろ?お前すごいいい顔してるけど」
「ば、ばっかじゃねーの、そんな訳…」

どうしてこの人はそう恥ずかしい事をさらっと言うのか。しかし図星を突かれて言葉は尻すぼみになるし、頬は熱くなるしで、これじゃあ肯定したも同然じゃないか。

羞恥で俯いた頬に触れられる感触を感じて顔を上げれば、目の前の顔が近付いてきて。

キスされた。



眼鏡は反則です


「のり君が無自覚にえろい顔してんのが悪い」
「…南沢さんのがえろいっすよ、特に眼鏡」

この熱は、どうやら夏の暑さが原因ではないらしい。



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南沢さんが眼鏡かけたら絶対にえろいと思ったので、それに見惚れる倉間もえろいと思います。





所詮は予防線 / 咲
11/08/29(Mon) 02:48


気付いたら、常に頭を巡るのは「どうしてだろう」という疑問だった。

こんなにも慕われたのは初めてだった。こんなにも気楽に話せる相手は初めてだった。こんなにも仲良くなった人間は初めてだった。
たった一年生まれた年が違うだけを気にする中学生という時期だというのに、あいつはため口(にわかに敬語を使っている程度)で、生意気で、でも何故か悪い気はしない。むしろそう、心地良いくらい。
ちょっとからかえば、不機嫌そうな顔をしたり頬を赤らめたり、笑ったり、普段あまり見せない顔をするあいつを、思わず可愛い、なんて思ってしまう。


どうしてあいつは俺の隣にこだわる?
どうしてあいつは俺を慕う?
内申を気にしてサッカーをしている俺の後を、どうして追おうとする?

自分には到底理解ができなかった。


最初は適当にあしらって適当にチームメイトをしていればいいと思っていたのに、
俺には進路のことで悩まなくてはいけないことがあるというのに、

あいつの笑った顔が、頭から離れない。



所詮は予防線

(どうして、なんて、答えはもうわかってる)


倉間がドリブルでゴールに向かって駆け抜ける姿をぼんやり眺め、思わずふっと頬を緩めてしまった。

あぁ、いつの間にかこんなにも侵食されていたなんて。



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南沢さん視点で書いてみたくて自爆しました…。南沢さんはどうしてこんなに倉間が自分を慕ってるか気になるかなと思って書きました。