2012/02/26 14:59
現パロで同棲生活中
寒空の下、トラファルガーは少し暖かい服を着込んでベランダにいた。
望遠鏡を覗き込んでいる様子が、何だかいつもの変態野郎と違って落ち着かない。
「望遠鏡なんて、いつ買ったんだ?」
「んー…今日仕事帰りに…中古でな…」
俺の質問も上の空で、レンズの倍率を上げたり下げたり調節している俺の旦那様。持ってきたココアを差し出すと、甘いのは苦手なくせに快く受け取ってくれた。
「お前…星、好きだったっけ」
余りに夢中で見ているものだから、何となく気になった言葉を吐く。
「冬の星空は一段と綺麗に見えるからな」
ふーん、と興味なさそうに相槌を打つと
「ユースタス屋も見てみな」
トラファルガーは望遠鏡を指差して勧めてきた。星は確かに綺麗だと思うけど、正直そこまで興味はない。でも、コイツの惹かれるものが何なのかは知りたいから、誘われるまま望遠鏡を覗き込んでみる。
「…うわー……!」
「ふふ、なかなかだろう?」
目の前に広がるのは数多の光の群れ。思わず感嘆の声を上げると、隣でトラファルガーが楽しそうに話し出す。
「あれが理科で定番のカシオペア座で、あっちが…」
いつの間にか用意されてた小椅子に2人とも腰掛け、トラファルガーの話に聞き入る。春が近いとは言え、やはり寒い。しばらく俺達は寄り添いながら静かに輝く夜空を見上げていた
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