一針一針〜2




「喜んでくれんかったら別れたるっ」

女々しい自分が恥ずかしくて、尖った言葉が出るけど。
…それなりに心は込めとるつもり。
どうせやったらレギュラー全員に渡すとかどうやろ。
明らかに間に合わんか…やっぱ、一人だけになるんやね。


渡したら絶対みせびらかすやろな。


そのくせどもったりして、謙也くんはヘタレっぷり全開。
白石部長は小春先輩やユウジ先輩とひやかして。
師範と副部長と、あと千歳先輩は笑って。
金ちゃんは欲しがるかな、来年はヒョウ柄の生地さがそか。


いつも変わらない、あったかい空気の風景。


テニス部として、夏の大会は終わってしもた。
でもあったかい空気は、今も変わらない。
ウチが浴衣を作るのは、謙也くんだけやけど。

大好きなのは、謙也くんだけじゃない。
俗に言うLoveとlikeの違いってやつ?


まあ、小難しい理屈なんかどーでもいいッスわ。



「…ふあぁ」




しあわせな今日に、おやすみなさい。また明日!






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