ゆきやこなや*四天ほのぼの
ゆーきやこんこん♪
あられやこんこん♪
ふってはふっては
「やーまふりつーもる…」
そんな童謡を思い起こす光景。
一面白、白、白。
さらさらした白い粉、やけど、雪やない。
積もとっるのは、たこ焼き粉。
ええっと、なんでこんな事になったかいうと…
「おちゅーげんでもろたで!」
金ちゃんが大量のたこ焼き粉をかかえて部室に飛び込んで来た。
それは業務用かってくらい特大サイズで、金ちゃんは「今日はたこ焼きパーティーや!」とめちゃくちゃ張り切っとった。
放課後やし、俺も空腹で。
部活前やけど、まーいろいろ変わっとるウチの部や、怒るようなひともおらんやろ、と部室にあるカセットコンロとたこ焼き器をセットしようとしたとき。
ぱああんっっ!!!
派手な破裂音。
同時に目の前は真っ白になった。
数秒、俺も金ちゃんも無言で、頭回転させて、導き出した結論は。
たこ焼き粉、大爆発。
「ちょっ、え、どないしたらこうなるん!?金ちゃん!?」
「あ゛ー!ワイのたこ焼きが〜〜!!」
「それどころちゃうわっ」
と、とりあえず片付けなあかん。
けどどうやって…ほうき?掃除機?コロコロ?
うっすらと汗をかいた体に、粉がまとわりついて気持ち悪い。
ていうかホント何で爆発?金ちゃんの馬鹿力のせいやろか?
アカン、考えがまとまらん。
俺じゃ解決できん、特大の袋が五つ以上は割れとるこの状況。
下手に動いても被害が拡大するだけの気がする。
…こんなときは、ウチの部の鉄箇条。
「何かあったら、白石部長に報告、連絡、相談…やったよな」
そうや、普段はエクスタシー連発の変態部長やけど、いざってときはなんとかしてくれる!…筈や。
「うわー、ひかるが真っ白や!」
「金ちゃんもやけど…というか、ちょっと動かんでじっとして。えっと…とにかく、携帯で、」
部長に連絡すれば、
「浪速のスピードスターが一番乗りやっちゅーねぇぇん!!」
………。
「!?っ、光に金ちゃんっどないしたん!?て、ゴホッゴホッ」
…被害拡大。
「あー……どうしよ、これ」
結局。
謙也さんのすぐ後にきた白石部長の指示で、その日の部活は大掃除になった。
金ちゃんは毒手に半泣きやったけど、今回ばかりは俺も被害者やと思う。
やから、金ちゃんにデコピンしたった。
End
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