選抜合宿の裏で‐聖ルドルフ
「本当に、俺でいいんですか?」
U‐17合宿。
高校生とも凌ぎ合う舞台に、我が聖ルドルフも招待された。
“曖昧に”招待された。
『聖ルドルフ中等部テニス部員から2人、選抜して合宿に参加するように』
戸惑う者は当然いる。
「俺っ合宿には参加したいです!でも、部長を差し置いて…観月さんと赤澤部長のお二人が相応しいと思います」
そう、裕太くんのように。
「裕太、お前の気持ちは嬉しいが、俺は三年だ。受験もあるし、なにより。
次世代のルドルフの為に、お前が行ってくれ」
「でも…」
「裕太は次世代のルドルフの要。そして観月は実力だ」
「なら!赤澤部長が…」
「観月なら合宿で吸収したことを生かして、ルドルフをもっと強くしてくれる」
シン――と、部室の空気が張った。
「…そんな芸当、俺にはできない。観月、裕太」
「行ってくれ」
赤澤は数秒置いて、がはははと豪快に笑った。
「つまり!聖ルドルフテニス部員全員の期待だ!応えてくれよ?」
何が正しくて、適正なのか。
まるでついでのように扱われたルドルフを、建て直す。
すべては…
「任せなさい、ルドルフの強さを見せ付けてやりますよ」
さあ、幕は開くのです。
ルドルフは、決して終わらない!
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