すっきゃねん!*ちとくら
まっすぐな視線に、心奪われたんや。
何もかもを投げ出したのは俺。
まばゆい瞳。陰りのない瞳。
見て見ぬふりはできんかった。
だって暖かいから、優しいから。
ぬるま湯のような空間。
ときどき向けられる、嫉妬の視線が嬉しくて、たまに向けられる、悩みの視線が楽しくて。
駄目だ駄目だ思うのに、快感が走るんや。
ああ、これが恋なんか?わからへん。
「千歳」
なぁ、他にはブレて、飄々としてるやん。
なんで俺にはまっすぐなんや?
他の奴等と同じように、泳ぐ視線だったらきっと俺、お前にほだされなかったのに。
お前は狡い。
俺を見つめるから。
部長とかパーフェクトとかじゃなく、一人の男として。
熱がこもる視線を向けるから。
ごめんな、俺、無視できん。
好きやねん、愛しいねん。あの、さ迷う馬鹿を。
千里千歳を。
「愛してる」って。
言わせてや。一生の願いやさかい。
ごめんな、アイツが好きやねん。
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