ディルド*蔵光




「財前、これ持っとき」


修学旅行前日、白石部長が俺に差し出したのは。
アレの形をしたエグい物体だった。




「………」
「ん?気に入らん?ちゃんとデカくてリアルなやつ選んだで?」
「……いやいやいやちゃうちゃうそういう次元と違うわ!!!」


この人は何をしてるん?
ありえへんやろだって今何しよった?
明日から白石部長らは修学旅行で、財前も連れて行きたいわーとか言う白石部長とまあ、ほらイチャイチャしよって。
んで柄にもなく寂しいっすわ、とか言ってぎゅーってして貰ってキスして、明日早いからそろそろ帰るわとか言うから行ってらっしゃい言うて…ああここでこんなんオカシイやろ。

こんなエグい物体。

…確かに、確かに白石部長はその…最中にいわゆる大人のオモチャを使うことはあった。
身を持って知っとる。
でもオカシイやろ。
なんで珍しく素直で可愛い(もう自分で言ったるわ!ヤケクソや!)俺と、甘ーいちょっと切ないいい雰囲気の中こんなもんが出てくんねん。
デカてリアルって何やねん。
めっちゃキモいっすわ!!!
「雰囲気ぶち壊しやないですか!!」
「財前落ち着き、むしろ今しかなんや」
「落ち着けるか!!!」


目の前にはエグい…う、握らされた。
握らされた(大事なことなので二回言いました)
ゴム製、か?
表面や柔らかいけど芯はしっかりあって、大きさは白石部長のよりちょっとだけ小ぶりな気がする。
全体は肌色でカリのとこと、血管を模したらしき筋は赤黒い。
完立ちしたモノの形で、まあまあ、リアルな感じは確かにするけど…。


「下に吸盤がついとるから、床に置いたら滑らんで。これで騎乗位の練習しとき」





「………はあ?」

アンタ、頭おかしいんないっすか?





……そう思ったのに。思わず白石部長のつるっつる玉子肌な頬に、一発かましたのに。



「3日も財前に触れん俺に、ご褒美ちょうだいや」
「上手くできたら…ご褒美やるからな、光」



そんな二言で丸め込まれて、受け取ってしもた。
使うかは別にしても…たぶん、使ってしまうやろーけど。

本気で俺バカやなぁと思う。
天才のくせに何しとんねん、てかあのエロバイブルもう一発殴りたいと、思う。


けど、でも、まあ……好きだから、しゃーないっすわ。


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