が一番!





ざわざわと胸が騒いで落ち着かない。不安で不安で押しつぶされそう。

隊長、隊長、隊長……。


「隊長……っ」


執務室ではなく庭に面した畳の書斎で、机に向かう背中に手を伸ばす。羽織を掴んでぎゅうっと抱きついて。ふわりと香るいつものにおいに、やっと、息をつけた気がした。


「たいちょう…」

「ん」

「たいちょお…」


不安で不安でどうしようもない時、悲しい事があった時、私がこうすることを知っているから。ただただ隊長と呼び続けることしかできない私に、優しく、私の大好きな低く甘い声でその都度返事をしてくれる、隊長。
嬉しくてあったかくて。ぐりぐりとおでこを押し付けてまた小さく、隊長、と呼んだ。


「…甘ったれめ」

「…っ……」


からかうように、だけどひどく甘い声で言われて、恥ずかしくなって離れようとする。そんな私の体に隊長が後ろ手に腕を回してきて…――。

おんぶされてるみたいな格好…

なんて思っていたら、ぐっと腕に力が入って、立ち上がった隊長に本当におんぶされることになった。


「う、わ、隊長!待っ、恥ずかしいですって…!!」


そのままスタスタと入り口へ歩き出した隊長に声を上げれば、「そんだけデカい声出せれば平気だな」、なんて笑われた。
あ、そういえばもう……。


「団子でも食いに行くか」

「わあ嬉しいっ」


我ながら現金だなぁなんて思ったけど、多分それもこれも全部、隊長の思惑通りだ。


「…隊長、ありがとう」

「なんもしてねーよ」


優しいあなたはぶっきらぼうにそう言うだけだけど、ううん、なんにもしてないなんてあるわけない。だって隊長、その存在だけで、私の心はいつでも元気100倍になれるんだから。

お礼を込めて、ぎゅっと肩に抱きついた。




(そういえば、何を悩んでたんだ?)
(それは、えーと……あれ?)

((マジかよ…))





糖分を多量摂取していただこうと…そこまで甘くはないですねうーん。
糖分摂取は大切です。



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