高山さんちの性教育事情
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ぼくは時々、父さんにキスをお願いするようになった。あいかわらず、おやすみのちゅーはかかさないし、おフロもいっしょだし、なかよし。変わったことは、ぼくがもっともっと父さんをスキになったこと。
今日もぼくは、父さんとごはんを食べて、おフロに入って、同じベッドでねむる。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
ちゅー。
ん、今日はキスもしたい気分。じっと父さんを見つめていると、父さんは「どうしたの?」と聞いてくれる。
「父さん、キスして。」
「んー……、うん。」
ちゅっ、と軽くタッチしてそれから父さんのベロがぼくの中に入ってくる。やっぱりまだなれないや。ついついベロをひっこめちゃうけど、父さんは優しくベロのさきっちょをツンツンして待ってくれる。ゆっくり、父さんのベロに重ねると、すぐからまってぼくは気持ちよくなる。ボーッとしてきて、体がじんじんする。
「……はぁ。」
「ん……おやすみ、楓。」
最後にほっぺにチュ、と父さんがちゅーをくれた。
おやすみなさい、だいすきな父さん。
◇ ◇ ◇
キスを教えてから、楓は時々キスをねだってくる。決まって寝る前、おやすみのちゅーの後。じいっと見つめてくる時が、大体そう。
分かっていながら「どうした?」と聞くのは、可愛くねだる楓を見るため。楓が望むから……という言い訳を自分にするため。
最低だ。
分かっていながらやめないでいる。俺って、ここまで欲に忠実だったんだ、と改めて思う。
我慢してきた。耐えてきた。それが、一度解かれてしまったら、止まらなくなった。これ以上は、駄目だ。踏み込んではいけない。俺は父親で、楓は息子だ。それ以上でもそれ以下でもない。
はぁ。自然と溜め息が漏れる。
さっさと寝よう。そして、明日もまた親子でいるんだ。
◇ ◇ ◇
父さんにキスしてもらうと、体がじんじんする。思い出しただけでも、そうなる時がある。ぼく、どうしちゃったんだろう。フツーなのかな?でもキスしてる時は気持ちよくってそんなことわすれちゃうんだけど。
今もそう。思い出しちゃってむずかゆい。特に、その、……おちんちんのあたりが。むずむず。んんーなんで?
父さんはまだ帰ってきていない。今日はおそくならないって言ってたから、もうすぐ帰ってくると思う。そうだ、父さんに聞いてみよう。
父さんの顔を思いうかべると、もっとむずむずがひどくなった。ほっぺも体も熱い。またカゼかなぁ。でも、ちょっとちがう気がする。
ちょっと不安になって、そおーっとズボンの中をのぞいてみた。なんか、パンツの下……ふくらんでる?さらにパンツの中ものぞく。
!!?
おちんちんが……はれてる?
うわぁぁぁ!どうしよう!なんで?
さわってみるとかたくて、じぃんとする。
わ、わ、なんだこれ……!?
父さん、早く帰ってきて!
◇ ◇ ◇
ウチに帰るなり、愛しい我が子が血相変えてお出迎えしてくれました。
「おか、おかえりなさい。」
「ただいま……どうしたの?」
あからさまに様子がおかしい。オロオロ、キョドキョド。しどろもどろになりながら、楓は俺の手を掴んで、
「お、おちんちんが、変!」
股間に押し当てた。今度は俺がキョドる番。
なんで軽く勃起してんの!息子のムスコ!!
「ちょっ、待って楓、落ち着こう?手を離して?とりあえずリビング行こう、な。」
「う、うん……。」
落ち着かなければならないのは俺だ。鞄を床に置き、上着を脱いで、ネクタイを緩め、深呼吸を一つ。神よ、俺の魂を鎮めたまえ。
楓は所在無さげにうろうろしている……股間を押さえて。
「楓、ソファに座って。」
「はい……。」
ぽす、とソファに沈んだ楓は、不安そうに俺を見上げてくる。ああ、そんな顔しないで……。
「楓、どうしてこうなったの?」
「わかんない。父さんとキスしたの思い出したら、こうなっちゃった。」
神も仏もないのか!
俺とのキスを思い出してそうなったの?それってキスしたら勃っちゃうってこと?ワァーーーなんでキスなんか教えたの、俺の馬鹿野郎!!
「どうしよう、父さん。病院行かなきゃ。」
あああ、そんなにしょげるな。病院に行く?とんでもない!父さんとキスしたらこうなっちゃいました、なんて言えるか!いや、そもそも病院行く必要はない!
「大丈夫、病院行かなくても治るよ。」
「ほんと?」
希望の光に満ちた瞳。うわぁ、罪悪感が……。
これから何をするか分かってない楓に、俺は……!
だって、おさめるって言ったらこれが一番手っ取り早い。仕方ない。あくまで親として、最善の処置をするまでだ!
「おちんちん出して、父さんに見せてごらん。」
「ん……。」
するり、ズボンとパンツを膝下までおろす楓。まぁ、一緒にお風呂入ってるし、抵抗はないよな。よいしょ、と楓の足の間に膝立ちになり、そっとそれに触れる。
「すぐ治るから、おとなしくしてるんだぞ?」
「はぁい。」
ピンと勃ち上がっているちんこは、まだまだ大人のそれと比べて可愛らしいサイズだ。なるべく怖がらせないように、優しく手のひらで包んでゆっくりと上下に動かす。
「……痛くないか?」
「うん。」
擦るうちに楓のちんこは膨れ、完全に勃起した状態になった。これなら多少力入れても大丈夫だろう。きゅ、と指先に幾分力を込めてさらに扱きあげる。
「あ……と、さん……なんか……、ヘンだよぉ……。」
「大丈夫、怖くないよ。力抜いてなさい。」
「ん……。」
ああ、性的な快感なんてまだよく分からないだろう。それでいい。よく分からないまま、この出来事を忘れてくれたら……。
先端に親指を当てながら、竿を扱く。擦れる先端からは蜜が溢れる。
「ふぁ…、ヘンな、かんじ…はぁ、っ、とーさん……!ぼく、ど、なっちゃぅ…のっ……?」
「ちゃんと治るから、な。安心しろ。」
ヒクヒクと体を震わす楓は、縋るように俺のワイシャツを掴む。朱い頬に潤んだ目。反則的に可愛い。それに気を取られないよう手元に集中するけれど、その手元にあるものが楓のものだと思うと、駄目だ。気が狂いそう。
早く終わらせよう。そう思って、手の動きを速めた。一層蜜が溢れ、楓のものをしとどに濡らす。くちゅくちゅと卑猥な音が、リビングに響く。
「あっ……!と、さん、なんかで、そ……っ!」
「ん、いいよ。出しなさい。」
「ぁ…ひゃ、っ……!!」
ぴゅく、ぴゅく、と吐き出された楓の精液を手で受けた。温かい感触が、独特の匂いが、欲を刺激したけど、とりあえず気付かないふりをしてやり過ごそう。
「おもらし、しちゃった……?」
「いや、いいんだよ。大丈夫。ほらおちんちんも元に戻ったろ?」
「ほんとだ。父さん、ありがと。」
まだ少し朱の差した頬で、楓はいつもの微笑みを見せた。後ろめたさなんて微塵も感じさせないように、「良かったな」と俺も笑う。
手に残る精液をキッチンで洗い流しながら、ちょっともったいないな……と考えた愚かな自分にグーパンをお見舞いしてやりたい。
「じゃあ父さん着替えてくるから、そしたらご飯にしよう。」
「うん!」
そう言って、トイレで半勃ちになった自身を乱暴に扱いてさっさと吐精した。
本当に浅ましい。猿以下だ。ごめん楓。こんな風にしか、お前を愛せなくて、ごめん。
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