Chapter.68
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タクトのことがぐるぐると脳内を巡る。
俺以外の奴に抱かれたタクトのことを、考える。
もうタクトは、俺じゃなくても良くて。
俺はまだ、タクトが良くて。
ああ嫌だ、苦しい。
こんなことになるなら、やっぱり恋愛なんてしなきゃ良かった。フラフラ遊び歩いてた方がお気楽だったのに。
もういいや。また、戻ろう。忘れよう。
そんで、もう二度と恋愛なんかしない。
疲れるんだよ。想うことも、傷付くことも。俺自身が削がれてく。それに耐えられない。
意気地無し、と前にそう言ったユウの顔を思い出した。咎めるな。俺は、弱い。
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