Chapter.24
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巧斗を待ち伏せして制服姿を無事に拝めた翌日。
「てんちょー。俺火曜日休みほしーなー」
早速休暇を申請したのだが。
「だーめー」
無情にも却下されたのだった。
「えっなんで!?いつもマジメに働いてるのに!」
「火曜日って連休真っ只中じゃん?客足増えるじゃん?」
「桃ちゃん頑張れ」
「一人じゃ大変じゃん?」
「千絵理さんも店番出れるし」
「チェリーは俺のお手伝い!誰にも渡しません!」
「……」
「…………」
これはどうしたものか。むう、と唸っていると、店長の意地悪い顔が近付いてきた。
「どーせ恋人とイチャコラつくための休みだろ?」
「分かってるんなら休み下さいよ」
「やだね。分かってるから尚更やだね」
「ぐ……!」
駄目だ、絶対に譲る気なんてない。ムキになればなるほど、面白がるんだこの人は。
「今日も平和ねー、桃ちゃん」
「ええ、平常運転ですね」
見えない火花を散らす野郎二人を、遠巻きから見守る千絵理と桃子であった。
「っつーわけで、会えるの夕方からになるんだけどぉ……」
『いいよ。仕方ないことだし』
その夜、巧斗に電話で報告した。
「悪いねー。駅までは来れる?」
『一駅だから、大丈夫』
会える時間は短くなったけど、量より質。会えないより良い。
「楽しみにしてる。巧斗は?」
『ん……俺も』
ボソ、と小さな声。きっと照れて俯いてる。そういうところも、好き。
オヤスミ、と交わし合って電話を切った。
制服だと年相応に見えるよなー。
ベッドに寝転び思い出す。昼間の顔の巧斗。
眼鏡を外して。ブレザーを脱がせて。ネクタイに指をかけて緩めて。シャツのボタンをひとつひとつ外して。最後のひとつを外したら、そのままベルトに手を掛けて。
うあー、駄目だ。
安い妄想で自身の中心に血液が集中してきた。部屋着をずり下げて下着の中からそれを取り出してやると、既に固くなり始めていた。指を絡め、ゆるゆると扱いていく。
「はぁ……っ」
巧斗の淫らな表情を思い浮かべて、更に固さを増す。それに合わせて手の動きも徐々に速くなっていく。
妄想の中で巧斗を犯す。汚す。壊す。
「ん……っ!」
ぶる、と身震いして、白い欲を吐き出した。やがて体が脱力感に支配される。
枕元に手を伸ばし、ティッシュを探した。べったりと右手を汚したそれをゴシゴシと拭き取る。
オカズにされてるなんて思ってもないだろうなー。
丸めたティッシュを屑籠に投げ入れ、下着と部屋着を元に戻して天井を仰いだ。
ごめんね。
少しの罪悪感と、それを上回る支配欲。早く自分のモノにしたい。繋がりあって安心したい。
巧斗が来る前に部屋の掃除しなくちゃ、などと頭の片隅で考えながら布団に潜り込んだ。
夢の中でも、会いたい。
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