【with 不知火一樹】



「………」

「…優?どうした、じっと書類見て」

「あ、いや…一樹先輩の字っていいなぁって思いまして」

「俺の字?」

「はい。右上がりで、ちょっと汚くて、筆圧強くない感じ」

「褒められてんのか、それは」

「なんていうか、あれです。一樹先輩が書いた字ってだけで愛しいです」

「………」

「………………はっ!今あたしすごい恥ずかしいこと言いましたよね!?すいません忘れてください」

「誰が忘れてやるかよ。仮に俺が優の名前書いたらどうなるんだ?」

「一樹先輩が、あたしの名前を…?」

「ああ」

「…それは…ときめき死してしまいます…ただでさえ毎日死にそうなのに、一樹先輩はあたしをどうしたいんですか…」

「そうだな…これでもかってくらいにどろどろに甘やかして、俺無しじゃ生きられないように?」

「…今でも十分一樹先輩無しじゃ生きられないのに?」

「……こっち来い、抱き締めさせろ」

「え、なんでいきなり」

「お前が可愛すぎるのが悪い。いいから来い!」





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