天気の良い、ぽかぽかと暖かな昼下がり。
たまには外で食べようぜ、という犬飼の提案により、今日は屋上庭園でお昼ごはん。

颯斗と犬飼と共にお弁当を広げたところで、後ろから声をかけられた。

「あ、優ちゃん!」

「月子!錫也!」

振り向いた先には、月子と錫也と、もう一人。

「今日は優達も屋上なんだな」

「まぁねー。ところで錫也、そっちの彼はもしかして…」

「あぁ、紹介するよ。こいつが、この間寝坊して俺が起こしに行った七海哉太」

「おい錫也、なんだよその紹介の仕方」

月子を挟んで錫也の反対側に立つ彼…七海くんが錫也に反論する。

「事実でしょ?哉太、彼女が神話科の小林優ちゃん」

「どーもはじめまして、七海くん。小林優でっす」

「…七海哉太だ。つーか何だよそのやる気無い自己紹介」

呆れた顔であたしを見やる七海くん。
なんだ、文句あんのか。

「気にしちゃダメよ。つーか、月子も錫也も呼び捨てにしてるし、君のことも哉太って呼んでいいかしら」

あたしのことも呼び捨てでいいからさ、と言えば、少し照れた様子で了承してくれた。

「さて!自己紹介も済んだところで、せっかくだからあたし達と一緒に食べないかねお三方」

「え、でも…」

「せっかく神話科でいたのに、迷惑じゃないのか?」

変な風に遠慮する月子と錫也。
一方哉太は既に座っている…行動早いな。

「いいんじゃねーか?誘ってくれてんだしよ」

「そうですね、食事は賑やかな方が楽しいですし」

「そーだそーだ、細かいこと気にすんなよ」

「…もしかして、嫌、かな」

「まさか!そんなことないよ!!」

恐る恐る聞くと、月子は慌てて否定する。
じゃあ、と促せば、錫也も観念したように腰を下ろした。

「それじゃあ、お言葉に甘えてお邪魔させてもらおうかな」


その日の昼休みは、とても賑やかで楽しかったです。




(これ、全部錫也が作ったの?まじで!?)
(重箱で弁当作ってくる男子高校生って何者だよ…しかも超美味いし)
(…凄いですね)
(なんてったって、錫也は俺達のオカンだからな!)
(それ言うなよ、哉太…)
(ふふふっ)




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