2017-4-14 Fri 20:58 考察
ていうか待って?やつがれが人生に復讐しようとして、そして太宰さんに出会って生きる目標を得たのが14歳だとしたら、鏡花ちゃんとまったく同じ年の頃って事に…なる…ウワーーーーーーーーー

尚更運命だと思ったやつがれだったのかもしれないな…自分も14の時にこんな目をしていた、そして同じ目をした14の少女が殺してくれとやって来た。ならば自分がその少女の救い手になるべきなのでは、と思ったんじゃないか。あの日の太宰さんの様に。

そして太宰さんがしたように鏡花ちゃんに生きる目標を与えようと、厳しく当たった。爆弾を巻いて行かせたのはそういう事だったんじゃないか。生きたいと思ってほしかった。

場合によっては自爆させるなんてやつがれ余りにもスパルタでは…って思ってたけど、そういう事だったのかな。結局鏡花ちゃんは敦くんに生きる目標を見出だしたけど、それでも再会した鏡花ちゃんは、ちゃんと生きた人間の目をしてた。そうか、お前は救われたのだな。

生きる為に戦える様になったのだな。そうか、善かったな。そういう事なのかもしれない。

あの日の自分も、端から死ぬつもりで報復しに行った。もしそのまま素直に自爆するようなら、それもよかろう。意味を見出だせぬ生は単なる地獄だ。だがもし生還したならば…────。
そう思いながら送り出したやつがれがいるのかもしれない……………………………………………………



やつがれも爆萌えなんだけど、「善かったな」って言われて驚いて、何か言いたげにやつがれを見詰めてから帰る鏡花ちゃんも爆萌えよな。二人がどんな関係だったかはまだ書かれてないけど、冷徹だけど何処か自分を気遣っているような、そんな不器用な優しさを微かに感じ取っていた鏡花ちゃんがいたのかも

ていうかこのシーンさーーーーー「逃げたか」ってやつがれは言ったけど、逃げたけど逃げたっていうより、おめーが逃がしたんだろうがよーーーーーー!!!!!!!!!って暴れたくなったの私だけ?仕留めるつもりなかっただろ…ウッくそが…やつがれめ……………………………………



黒の時代の要所だけ覗いてるんだけど、さんこいちが出会ったのが竜頭抗争の只中で、竜頭抗争は六年前。この時点では太宰さんはまだ次期幹部最有力候補だったみたいだな。そして太宰さんは16歳の時点で腐った佃煮を肴に日本酒飲んでる。なにしてんだ。

でさーーー掌編読み返してて思ったけど、やつがれが「人間精神の顕現」とか言って美術品を尊ぶのは、自分にそれがなかったからなんだな。かつて自分が心を持たない、人間に満たないものだと思っていたから素直にそれを称賛しているのかもしれない。



ていうかささげさんのツイ見て思ったけど、鏡花ちゃんに「帰るぞ」って言ってたやつがれほんとしんどいな。敦くんと鏡花ちゃんにとっては恐怖の対象でしかないから怖い描かれ方してたけど、そうだよなぁ、不自然だとは思ってたんだよ

だって鏡花ちゃんはマフィアを裏切ったに等しいしさ〜鏡花ちゃんが自分で考えて敦くんを誘い出した訳じゃない事くらいやつがれは当然分かってる筈なんだよ。裏切りの代償は凄惨な死の筈。でもやつがれは「お前は任務を為果せた」「帰るぞ」なんだよなぁ

やつがれが何処まで考えて鏡花ちゃんを送り出したのか定かじゃないから解らないと言えば解らないけど、やつがれって結構脳筋だしなる様になるだろってタイプだから、結果的に鏡花ちゃんが敦くんを誘い出した様なものだからそれで不問に出来るだろう、お前の帰る場所はまだある、って意味で言った可能性も無きにしもあらずでほんとつれぇな

でもやつがれには白鯨戦で聞き齧った敦くんの過去と、その後太宰さんに頼まれた院長先生の資料の二要素だけで、院長先生が敦くんの師である事を理解する頭もあるからやろうと思えばそこまでの策を弄する事も可能なんだと思うからわかんないんだけどな

この場合の「師」が文字通りの意味ならず、やつがれ的には「人生への復讐」を止めて、生き甲斐を与えてくれた人って意味になるからまたしんどいんだよなぁ…………………………敦くんと院長先生の話もつらいよね……………………………………

院長先生が敦くんにああしてつらく当たって、「恨むなら私を恨め」と言わなければ、敦くんもまた「人生への復讐」に走る所だったと思うんだよなぁ。人生への復讐っていうのは、自分では到底覆しようがない理不尽な不幸に、命を以てそれに報復する事なんだよね。怒りを以て自爆する事とでも言うか。

やつがれは生まれ育った環境、鏡花ちゃんは父母自身の業が遠因となって死んだ両親、敦くんは生まれもった異能と、親に棄てられた事。どれも自分では覆しようがない理不尽な不幸だよね。敦くんも、院長先生がいなかったら、何故こんな力を持って生まれた、って異能を制御できない自分を責めただろう。



ささげさんの考察見返してて思ったんだけど、敦くんがそうである様に、太宰さんもきっと「人を救わぬ者は無価値」と考えてる部分があるのかもしれないって今思った。
なんで太宰さんが敦くんには何も言わないのにやつがれにはあんなに厳しく当たるのか、今まではなんとなくマフィアの顔と探偵社の顔の

差違なのかなって思ってたけど、そうじゃないんだな。ニュアンスは強すぎるんだけど、「人を救わぬ者は無価値」だと太宰さんも思ってるからなんじゃないか。かつての太宰さんは攻撃しか手段を持たないやつがれに身を守る術を教え込もうとしてたけど、今太宰さんがやつがれに求めてたのは他者を救い守る

精神的な強さなのよな。方針は変わってないけど、太宰さん自身が人を救う人間になった事で、ニュアンスは変化してるのかもしれない。だから、最初から他者を救う為に行動できる敦くんには何も言うことがない。それでいいから。でもやつがれは違う方向に曲解して未だに太宰さんの真意を理解できてない。

「君の教育には苦労した」は正しくその通りなんだろうな。やつがれは、太宰さんが自分を置いていったのは自分が弱いからだと思って、どんな強者をも倒せる様になれば太宰さんが認めてくれると思ってる。そういう事じゃないんだけど、違うって言ってもやつがれは受け止められないだろうから、ああいう

やり方になったんだろうな。発破をかけて焚き付けて思い悩ませて、自分で答えを見付けさせようとした。端から見てるとやつがれが可哀想なんだけど、太宰さん相当やつがれの事可愛がっててやばいな。その為に殴られてやるんだもんな。あーやだやだ太宰治ーーーーーーーー



あとさーーー敦くんの「生きてていいよと言われなくちゃ生きていけないんだ」対する?「貴様に言われずとも解っているわ」は、自分が太宰さんにそれを求めているから「解っている」のかと思ってたんだけど、それだと白鯨での「他者を救えば生きる価値在りと誰かに判を捺してもらえると思ったか」って

発言と矛盾するから、はて?って思ってたんだけどね、あれはやつがれが、鏡花ちゃんに最初から「生きていてよいのだ」って言ってあげてたつもりだったから出た言葉だったんだなって漸く理解出来たわ…そんなん知ってるしずっとやってたわい、ボケ…って事やったんやな…()

ここでやつがれは、鏡花ちゃんにも敦くんにもその真意が伝わらなかったのは、自分のやり方がまずかったからなのかもって気付いて、じゃあどうすれば良かったんだって考え始めたのかもしれないな…だからあんな風に口惜しげに、解っておるわって言い回しになったのかもしれない………………………

わかってるけど出来ねーんだよ、って苦悩の…表れ…………………………



白鯨で敦くんの戦う理由を知って、太宰さんに認めてもらえた事でやつがれは、太宰さんが自分に求めていた「強さ」の何たるかをとうとうちゃんと理解出来たんだろうなーーーだから今度は、どうして敦くんが他人を助けようと思うのか、何故善を為さねばならぬと思うのが理解したいと思ってるんだろう

理解して、今度こそ本当の意味で強くなって太宰さんに認められたいって思ってるんだろう。つまり誰かを救う優しい人に、やつがれはなろうとしてるんだよ。ぱねぇ。



敦くんとやつがれへの応対の差を見てると、つまり太宰さんって教育するに当たってあんまりとよかく言わない人なんだな。方向性だけ示して、必要な基礎知識だけ与えたら、後は好きにやらせる。本人の成長に任せる。敦くんは素直だから太宰さんがとよかく言わなくてものびのび成長しているんだけど、

やつがれは気難しい所があるし基礎値がそもそも一般的な人間と比べてかなり「出来る」から、成長の機会が限られてるのよな。ぶちのめして焚き付けてやらないと、やつがれは伸びない。基本的に伸びなくても充分強いから。でもそれじゃ、いざやつがれを越える敵がやって来たときにあっさりやられて

しまう。ジイドがそう。直前に太宰さんが空間断裂を教えておかなかったら、あの場でやつがれは殺せと言うまでもなく死んでた。それにずっと自分の力で生きてきたやつがれには、それなりの自負や尊厳みたいなものが最初からあっただろうしな。掌編で、太宰という師を得る事にやつがれは歓喜してたけど、

それが=恭順に繋がる訳ではないと思うんだよ。太宰さんの圧倒的な実力を前にやつがれは畏れを抱いていたけど、それでもまず、自分が優位である事を教え込まねばならない。だからああも執拗に痛め付けてた太宰さんだし、故にやつがれは今日まで生きることが出来た訳だ…だ、太宰治…

だって異能無効化を持つ太宰さんを異能でどうにかしろなんて無理な話じゃん。なんでそんな端からどう足掻いても無理だと分かる事をさせて、何度も何度も返り討ちにしてぶちのめしたのかいまいち理解出来なかったんだけど、そうしてまずやつがれが弱者であると教え込んでた訳だね。確かに君は強いけど

特異な能力を持つ異能力者には時に酷く無力だ、どんなに強くなったと思っても、それを簡単に覆す能力者は必ずいる。そうなれば呆気なく殺されてしまう。それに備えさせる為に、そういう能力者の前ではどんなに無力になるか、身を以て教え込んでた訳だね。その為に自ら拳を振るってたんだね…………



「その程度じゃポートマフィア(異能力者が跋扈するこの横浜の裏社会)では生き残れないぞ」と、本当にそういう事だった訳ですね……もうやだ太宰治…………………………

これって院長先生とある意味同じだよね。そうやって極限まで追い込む事で、院長先生は敦くんに生きる力を与えた。何がなんでも生きてやる、そう思える精神の強さを。まって院長先生と太宰さん同じ事してるって待って、つまり太宰さんの口から「父親が死んだら泣くものだ」って言葉が出たのは、自分が

同じ事をやつがれにしてきたから、院長先生がどんな思いで敦くんにつらく当たってたか理解できたからって事にならないか。院長先生は敦くんに何があっても生きてほしかった。つまり、太宰さんがやつがれに厳しく当たってたのは、何があっても生き抜く力を与える為だっていうことの裏付けに…アア…

そしてやつがれが少ない情報の中で院長先生が敦くんの師だと理解できたのは、太宰さんからの厳しい仕打ちが愛情であると認めているかはさておき、何処かで理解しているからではないだろうか……



芥川さん朗報です、太宰さんは間違いなく君をものすごーーーーーーーーーーーく大事に思ってます。



そうなると、太宰さんはどうしてやつがれを拾って育てようと思ったのかが気になる所だよなぁ。あの頃の太宰さんは「じきにポートマフィア最強の異能力者になる」だけの逸材にあそこまで肩入れするタイプじゃないと思うんだよ…何かやつがれに惹かれる部分があったんだろうな…

太宰さんの過去が明かされるとこの辺も何かしらピースがはまってきそうだから、また殺される事になるんだろうなーーーーーーーーおのれ文ストーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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