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緩やかな終焉/だざアキ


「ねぇ、アキくん。お願いしてもいいかな」
「なぁに」
「私と心中してくれないか」
「やだです」
「どうして?」
「私はまだ生きていたいし、太宰さんにも生きててほしいから」
「……そうか」
「……でも太宰さんが、どうしてもって言うなら、いいよ」
「本当?」
「うん。どうしても心中したい?」
「うん」
「どうしても?」
「どうしても」
「……本当は?」
「本当、って?」
「……本当に、やめちゃってもいいの」
「……うん、やめてしまいたいんだ」
「何もかも捨ててしまっていいの?」
「うん、もう疲れちゃったんだ」
「そっか」
「うん」
「じゃあ、やめちゃおっか」
「うん……済まない」
「いいんだよ」
「うん」
「謝ったりなんかしなくていいの」
「うん」
「ずっと頑張ってきたもんね」
「うん……うん、そうなんだ」
「えらかったね」
「……うん」
「もう大丈夫」
「うん、」
「だいすきよ、太宰さん」
「うん……」
「……太宰さん」
「……なんだい、アキちゃん」
「おなかすいたね」
「……うん、すいた」
「ご飯にしよっか」
「……うん」



甘える時だけ「アキちゃん」って呼んでくる太宰治



2017/06/02 12:23





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