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捜査会議の内容は今世間を騒がせている怪盗キッドについてだった。
そんなもの私にとっては全然興味がないことで。
長々説明を聞いていれば自然と欠伸がでてしまった。
口を手で覆えば佐藤さんからグーで殴られる。
あまりの痛みに頭を手でおさえた。
机に突っ伏して耐えていればいつのまにか会議は終わっていた。


『酷いです!佐藤さん!』

扉を開けて部屋からでようとする佐藤さんに私は涙目になり必死で訴えた。
たんこぶは免れたものの、未だひりひり痛む頭を右手でさする。


『高木さんもなにか言ってやってください!』


苦笑いしてる高木さんにそう言ってやれば酷く困った顔をしていた。
あ、そっか。
言いたくても言えないんだな。
だって


『高木さんってほんと佐藤さんには甘いですよねー』

「!!、ちょっ」


からかうように言えば真っ赤になる高木さん。
うわ、なにその素直な反応。
奥手だね。



「そんなことより華はこれからキッドの予告上の時間まで見回りをお願い。
高木くんは私とこのまま残って!」


あ、結局私の休みはなしってことですか。
しかもそんなことって言われた。
高木さんご愁傷様。
でも嬉しそうだからいっか


『んじゃ、行ってきまぁす』


「あ、華!
なにかあったら携帯に連絡すること!
いいわね!?」


『了解でーす』


背をむけて歩きながら右手を振り返事をする。

外にでてきた私は伸びをして、新鮮な空気を吸い、体にとりこんだ。

さて、これからどうしよう
暇だから(一応まだ勤務中)とりあえずぶらぶらしよう。
それからカフェでお昼にして、
・・・と、その前に一服したいな。
中で吸ってくればよかった。
私は心の中で舌打ちして、吸えそうな場所を探すことにした。