dc | ナノ


今日はやっととれた非番だったのに。
先程から派手な軽快の音楽が携帯から流れている。
そのせいで気持ちよく夢の中だった私は気分を害されたのだった。
これは間違いなくアラーム音ではなく着信音。
布団を半分被り身を乗り出してディスプレイを確認すれば"佐藤さん"の文字。
なんだか嫌な予感がした。

(あ――――・・・
でたくないな
シカトしちゃおう。)


瞬時にそう判断すれば通話終了ボタンを連打。
音楽はぶつり、ときれる。これで静かに眠れる。
そう思った時、また流れる軽快な音楽。
またまたディスプレイには"佐藤さん"の文字。


『なんなの・・?』


仕方なく電話にでることにした。
明日ぐちぐち説教されたらたまったもんじゃない。
今度はちゃんと通話ボタンを押す。


「華!
あんた何回鳴らしたらでるのよ!
ってか1回無視したでしょ!?」


すぐさま聞こえた佐藤さんの怒鳴り声に顔を歪ませ、携帯から耳を離した。
それでも十分すぎるくらい聞こえてくる。


『す・・すみません・・』

「ったく・・
これからすぐ来なさい!
仕事よ!!」


やっぱり。
断りたい、そう思ったけど目暮警部直々の命令と言われれば行かないわけにいかない。
10分で支度して来いなんて無茶な。
行くまでに1時間かかりますよ私は。
一方的にきられた携帯を机に置き、着替えを始めながら思った

目暮警部のK・Yめ。