「お前無防備すぎんだよ」
「え?なに急に」
「そんな格好でいんなよ襲われても知らねえぞ!」
自分の格好、Tシャツとショートパンツを確認し、エレンの言葉に目を丸くする。
「誰に?」
「俺」
「・・・・・ぷ」
「おまっ」
「まっ、て・・ふふ、面白い冗談だね、はは・・あはは!エレンが私を?だって年下だし私の方が強いし」
完全に目の前にいるこいつは自分を馬鹿にしている。馬鹿にされたことよりも意識されてないことに腹が立った。俺も男なんだってこと思い知らせてやる。
「あー、久々に笑った!お腹いた・・エレン?」
エレンが近づいてきて手をとったかと思えばそのままソファへと押し倒された。ギシリ、とソファが音をたてる。
「ちょ!エレン!」
「ほら振り払ってみろよ。お前は強いから簡単なんだろ」
さっきから力をいれてるのにびくともしない。じたばたともがいても捕まれた部分が痛くなるだけだった。真剣なエレンの瞳。少し怖い。だって、あの可愛らしい面影が一切見当たらない。エレンの顔が近づいてくる。私はキスされる、と思い瞼をぎゅう、っと堅く瞑った。
「ばーか」
「!?」
ごん、と痛々しい音。エレンと自分の額がぶつかった音。正しくは頭突きされた、と言うべきなんだろう。
「・・・!?」
涙目でエレンによってぶつけられた額をさすりながら睨みつける。
「お前は女なんだから自覚しろよな」
そう言ってエレンは自分の部屋へと行ってしまう。どきどきと、煩いくらい心臓が早く音を鳴らしている。
生意気なエレンを意識し始めた日。私は暫くその場から動けずにいた。
タイトル/≠エーテル