みじかいの | ナノ

只今、鳥を呼び寄せる授業中。サルファー先生が手本を見せるため、魔法をかけてくれたんだけど


「ぎゃあぁあ
来ないで――!」



なんて乙女みたいな、先生が言うセリフとは思えない発言をしながらしゃがみこんでいる。そして呼び寄せたのは小鳥のはずがなぜか烏丸。さすがにワケが分からなくてため息しかでなかった。私の担任のサルファー先生ははっきり言ってダメ男だ。みんな言うくらいだし、本人も認めている。



「先生!
大丈夫ですか!?」



「ううぅ〜・・
ありがとうございます」



おいおい。
先生が生徒に助けられていいのか?なんて疑問が頭に浮かんだ。私はこんな先生に学んで大丈夫なのだろうか。激しく心配になる。
でも、なぜか先生を見てると不思議とそんな気持ちは忘れてしまう。



「・・・先生、しっかりしてください」



「すみません・・」



よく謝るなぁ。
しょげてる姿も可愛いなんて思ったり。



「・・僕は先生失格です」


この言葉にカチンときてデコピンをくらわせてやればみんな驚いた顔をしていた。



「なに言ってるんですか!
まだまだ教えてもらうことは沢山あるんですよ?」


サルファーの目線に合わせつつ腰をおろし、しゃがみこむ。笑ってみせればおなじように笑ってくれて。

あぁ、私はこの笑顔が大好きなんだ。

だから先生がダメダメでも仕方ない、なんて思っちゃうんだなぁ。