「張宿っ私に勉強を教えてくれませんか!」
僕が部屋で本を読んでいればなまえさんが現れて、開口一番そう言った。
「・・僕は構いませんけど・・
一体どうしたんですか?」
そう聞けばなまえさんの表情が拗ねた子供みたいなものになる。その次にはマシンガントークのように口からはぼろぼろと、ある一人の人物の名前がでてきた。ようするにその人から朱雀の巫女として意識が低い、もっと勉強するべきだ。とお説教をくらってしまったらしい。なまえさんは自分だって勉強しないくせに・・ねえ?と口を尖らせていた。くるくると表情が変わるなまえさん。なんて可愛らしいんだろう。
「なまえさん・・かわいい・・」
「え?」
気がつけば思っていたことが無意識に口から零れていて。目をまんまるくしているなまえさんがいた。紅潮していくほっぺた。
「あ・・!すみません!
いま言ったことは忘れてしまってくださいっ」
そんな僕の言葉になまえさんの表情が今度は曇ってしまったのを僕は見てしまった。一冊本を手に取りぱらぱらとめくる。
「・・ね、この本借りていっていい?」
「え?別に構いませんよ。・・勉強は・・」
「勉強はまた今度でいいのっ邪魔しちゃってごめんね!」
「いえ・・」
行かないで、僕の隣にいてください、って言えればよかったのに。あの人が羨ましいです。なまえさんにあんなに思われている彼が。
「 。」
どうか僕の心が綺麗でありますように。
心
情
サ
│
カ
ス
(12/03/16)