「あれ?なまえ。レントンと花畑にいくんじゃなかったの?」
「レントン〜?」
名を聞いた瞬間、なまえの眉間に皺がより、不機嫌な顔つきになる。
小さく舌打をし、どっかに行った。と一言。
「エウレカ、エウレカ、って。なんなのよむかつくつまんない。」
この言葉にああ、と察しがついた。つまりはレントンは約束を破り、更にエウレカとどこかへ行ったのだ。つまりは自分の約束よりエウレカをとったのだと思ってるらしい。
「そうじゃないかもしれないわよ?」
「レントンなんかしらないからいいんだもん」
「本人に聞いたら?」
目の前にレントンが歩いてくるのが見える。
「なまえ怒ってる?約束守れなくてごめん」
「エウレカとのデートは、・・どうだったのよ」
「!?ち、違うよ!」
「じゃあなに」
「あの、これ・・」
ぱさりと、自分の頭に軽いなにかがのっかる感触。花冠だ。色とりどりの、なんて可愛らしい。私の好きな色ばかりだった。
「これ」
「笑うなよ!これでも精一杯頑張ったんだ!」
顔を真っ赤に、レントンは言う。不恰好な花冠に頬が緩んでしまうのを必死に堪える。だって、どんな気持ちでこれを編んでくれたんだろう。どんな気持ちでエウレカから教わったんだろう。不器用さが伺える花冠。ふわふわくすぐったい気持ちに後押しされるようにレントンに抱きついた。
タイトル/夜と魚