みじかいの | ナノ


涯に連れられてきた場所で知り合った彼女は不思議なひとだった


「君、が桜満集くん?」
「はい」
「あの涯のお気に入りなんだって?」
「べつに
そんなんじゃないです」
「ふふっ。
お茶を淹れてあげるね」


そう言って彼女はお茶を淹れに行ってしまった。そんな彼女の横顔をじっと見る
・・綺麗だ。
表情や仕草、笑ったとき、喋るときの声色も。全てひっくるめて彼女は 綺麗 だ

「なまえ」
「涯!」


扉が開いて、はいってきた涯に彼女は抱きついた。そんな彼女を涯は優しく抱き留める。擦り寄る彼女に涯は優しく微笑みながら頭を撫でた。そんな姿に集は目を丸くする。
・・あんな表情するんだな彼女は涯の大事なひとなのだろうか。でなければ涯があんな優しい表情するはずがない。彼女もそうだ。最初僕に見せたのとは違う笑顔で彼女は笑う。涯に嫉妬なんておかしいけれど。見つめてた集に気がた涯は彼女から離れた。

「離れろ、なまえ」
「いひゃい!」


頬をつねられる彼女。涯の頬が赤く染まってた。なんだか2人を見てたら、緊張がとけ、笑った。


「・・ははっ」
「どうした集」
「いや、なんでもないよ」
「変な集
・・私はなまえ
自己紹介まだだったよね?」


このひとと一緒なら大丈夫だろう。なぜかそう思えた