俺は気分がのらないまま部活にでた。
もちろんなまえは目を真っ赤に腫らしていて。
この日俺はなまえと初めて一度も喋らなかった。ちらちら、となまえはほかの男には喋ったりしてるけど俺の方には近寄ってもくれなかった。
ふと顔をあげるとなまえがころんでいた。
どうやら転がっていたボールに足をとられ、滑ってしまったようだ。
(またアイツは・・っ!
ちゃんと前見て歩けって言ってんのに・・・・!!)
助けに行こうと、一歩踏み出した瞬間だった。
「大丈夫か!?なまえ!!」
「う・・うん、ありがとう。茂野くん。」
なまえを助けたのは俺じゃなくて茂野センパイだった。
それがなんだか悔しくて。腕を持ち上げる光景を目にし、逸らした。
見てたくなくて。
二人の仲良く喋る声が嫌でも耳に入ってくる。
「あれ?なまえ、背伸びたんじゃねぇ?」
「え?そうかな?」
吾朗の手がなまえの頭に触れる。
やめろよ。
「でも俺的にはまだちっこいけどな。」
「あーっ!ひどい!!ばかにしてぇ!」
意地悪く笑う吾朗になまえは軽く叩く。
こいつは俺のなんだよ。
触るな。
「お・・おい!清水!!?」
気がついたら俺は茂野センパイを蹴り飛ばしていた。
「こいつは俺のなんだよ・・!」
「ふぇ!?」
そう言って大河はなまえの手を掴み走りだした。
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