朝日に頬を撫でられ、雅孝は目を覚ます。
ゆっくりと体を起こす、が激しい頭痛に襲われた。
「いっ・・・!?」
(なんだこの頭痛は・・
っていうか僕はいつのまに家に帰ってきたんだ?)
なんとか思い出そうと頑張るものの思い出せない。
台所からなにやらいい匂いがする。
疑問に思い、そっと台所へと向かった。
「父さん・・?」
「あ、おはようございます」
そこにいたのは父さんじゃなくて紛れもなくなまえちゃんだった。
「え、なまえちゃん?
なんで・・」
「もうすぐご飯できますから顔洗ってきてください!」
「え、え??」
ぐいぐいと、半々強引に追いやる。
机に並べていれば雅孝がやってきた。
「あ、あのさ
なんでなまえちゃんがウチに・・・?」
雅孝の問いにぐ、と口をつぐむ。
いっそのこと話してしまおうか。
黙々と箸を進める。
「昨日、高柳先輩間違えてお酒飲んで酔っぱらってたから凪くんとボブくんに運んでもらって・・
私はそのまま寝ちゃったみたい!」
あはは、と笑ってみせる。
「ごめん、迷惑かけたみたいだね。」
"そんなこと"
そう言おうとした言葉は喉で詰まりでてこなかった。
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