瞬間、視界がぐにゃりと歪む。
「あ・・れ?」
「高柳先輩!?」
雅孝はなまえの胸の谷間へと倒れこんだ。
なまえの叫び声により周りにいたみんなが近寄ってくる。
「どうしたんじゃ、なまえ。」
「あ、部長!
高柳先輩が・・・」
瞳を潤ませて倒れた雅孝を部長である真夜に見せる。
「・・・お主、酒を飲ませたであろう?」
そんな真夜の言葉になまえは目を点にする。
匂いを嗅ぎ、舌にちょん、とのせて味を見てみればなんとも言えない苦味が口いっぱいに広がった。
「うっ、嘘!
だってこれお茶だから高柳先輩に持っていってやれって、凪くんとボブくんが・・・・!」
みんなの視線が一斉にその2人に集まる。
あはは、と乾いた笑いをする2人。
なまえはむぅ、と頬を膨らませた。
気がつかない自分も悪かったが嘘をつかれたのに苛立ってるようだ。
「ひっどぉーいッ!
騙すなんて!!
大体未成年は飲酒厳禁でしょ!?」
凪やボブの胸を叩くなまえに2人はたじろぐ。
「い、いや〜俺らはなまえに華をもたせてやろうと思って・・なっ!?」
「ば、バカ!
俺に振るんじゃねぇよ!」
慌てふためく凪とボブ、冷ややかな視線で睨むなまえの姿に笑ってしまう。
「・・ふふっ
さすが宗一朗様!!」
「こら、なにがさすがじゃ
亜夜。」
周りで話してる間にもなまえは雅孝の肩を揺らし、何度も呼びかける。
だけど反応はなく、酔い潰れている。
グラス一杯分、ほとんどないことから飲み干してしまったらしい。
肩に手を置かれた感触がして振り向く。
そこには凪とボブの姿。
「凪くん、ボブくん・・」
「俺らにまかせな!なまえ」
「・・・?」
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