「なんかあ、野ばらちゃんがボロ雑巾のお守りは嫌だとか言い出してSSわたしにまわってきたんだけどどういうこと?」
「いや、俺に言われても」
只今07時30分。連勝の部屋の前にいるわたし。超不機嫌。
「とぼけんな。あんたが野ばらちゃんになにかしたんでしょ。
朝早く起こされて氷漬けにされかけたのよ!おかげで寝不足!」
「あー、それでお前機嫌悪いのね」
「んで。なにした。正直に言えばシュレッダーで済ませてやるけど」
「すみません。シュレッダーもやめてあげてください」
少し言ってすっきりした。口から盛大にため息を吐く。
「・・わたしもSSだから野ばらちゃんの気持ち分からんでもないけど」
「あー・・まあ、立ち話もなんだから部屋はいる?」
結局連勝の部屋で話をすることになった。お茶はいつも野ばらにやってもらってるみたいだから淹れ方が分からないらしく自分が淹れることになった。
「熱いから気をつけろよ」
「分かってる!あんたはわたしのお母さんか!」
ピー!と沸騰した合図の音が鳴る。スイッチを切り、ヤカンに触れようとしたとき、熱かったところに触れてしまったみたいだ。
「熱っ」
「おい、大丈夫か!?」
「火傷したあ〜」
「ったく、貸せ!」
「へ?・・なにを・・」
手を持ち上げられたかと思えばそのまま火傷して赤くなった人差し指は連勝の口内へ。
身体が石みたいに硬直する。
「ひゃあああ!馬鹿!なにすんのよおおっ!!」
「んー?消毒・・」
ちゅっちゅう、と連勝の舌が指先を這う。途中、くちゅっと音が聞こえれば顔をまっかにさせた。
「・・っ!そんなんで消毒できるか!大体火傷って水で冷やしてアロエでしょ!?」
「つい、な。あと耳たぶに触れるのも効果あるみたいだぞ。」
「つい、ってなんだ!知ってたんならそっちで対処して!!」
涙目で睨みつけた自分の顔はきっとぐしゃぐしゃだ。だって連勝がむかつくくらいな顔で笑ってるもん。
「それにお前可愛いから。俺としてはあのままベッドに行きたかったけど」
「は!?」
なにこいつ、なにこいつ、なにこいつ!
頭壊れたんじゃないの!?
「あんたまさか野ばらちゃんにもこういうことしてるんじゃないでしょうね!」
「一昨日は『野ばらっていー身体してるよな』とか言った気がする」
一瞬目の前が真っ暗になり。だんだんと連勝に殺意が芽生えてきた。
「原因はお前のそのセクハラ発言と行動だ・・・!!」
「野ばらには発言しかしてねーもん。行動はお前にだけ」
またちゅっ、と今度は掌に唇を落とした。
そのままひと舐めする。
「・・・・・・ッ!!!?」
「俺はお前が俺のSSサービスでも構わないけどな」
「馬鹿か!野ばらちゃんに氷付けにされろ!」
結局連勝が一反木綿の姿で雑巾絞りされることでこの一件は落着したのだった。
(12/0524)