「もっとみんなのこと考えてあげて」
「・・僕に命令しないで」
集は変わっちゃった。祭が死んじゃってからなにかが壊れちゃったみたいに。
目の前で失っちゃった大事なもの。ねえ集。前みたいに優しく笑ってよ。へにゃって、頼りなさそうに笑ってわたしの名前を呼んで。頼りなくてもがむしゃらにつっこんでみんなのことを強く想ってくれる集がわたしは大好き。いまの集はなに考えてるのか分からない。どうしていのりちゃんの傍にいるの。その子もなに考えてるのか分からない。
もう、なにもかもすべて、すべて。いつから狂っちゃったんだろうね。
「うあ・・っ」
「この女もう二度とナメた口聞くんじゃねーぞ!」
殴られた部分が血を流して悲鳴を上げてる。身体中殴られて、蹴られて。掴んだ髪の毛を引っ張られて。震えが止まらない身体。
「しゅう・・っしゅ、・・・きゃああーっ!」
集によってわたしの身体からとりだされたヴォイド。
「大丈夫だよ。」
・・・なにが?それをつかって傷つけあうんでしょう?
やめて。そんなことしないで。したらだめ。
「・・・集は優しいんだから」
こんなことあるわけないんだから。
だから誰か嘘だと言って。