みじかいの | ナノ

心底後悔した。
その言葉が似合うのはまさに今の為にある言葉だ。

塾に遅れてしまいそうになり、私は全速力で走っていた。ただそれだけなのに。
つんのめり、派手に音をたてて、床に倒れこんだ。
こんな失態、誰にも見られたくない。すぐ起き上がり、平然としてれば大丈夫。
そう思ったのに。


「・・白、ですか」

「・・っ!?」


その言葉に"なにが"を思い当たりすぐさまスカートを押さえた。ばっ!と声がした方へ顔を向ければそこには志摩がいた。


「れ、れれ、廉造・・っ」

見られた?
まさか。・・いや、でも。
じーっと見つめれば志摩は顔を赤く染める。


「そない見んといてくださいよ」


「・・だって」

「早く教室入りませんと
怒られとうないでしょ?」

志摩の言葉に誘導され、教室へ入る。その途中、志摩にひっそりと耳打ちされる

「白の透けレース。
俺は好きですよ。」


「は・・!?」


私に向かってウインクする
や っ ぱ り 見 ら れ て た。
口パクして真っ赤な私を志摩は笑った。


「〜・・!廉造のっ
変態――!!」