「よォ!ビリビリ!」
「・・あんたもアイツと同じ呼び方すんのね」
「アイツ?ああ、当麻のことか」
「!」
上条当麻の名前をだせば美琴は顔を真っ赤にさせた。
ったく。分かりやすいねー
「仕方ねーじゃん?
俺アイツの兄貴だし。」
くっくっ、と喉を鳴らして笑いながらウインクしてやる。美琴はまだ顔を赤くしながら俺から顔を反らした
その態度はいつものことながらなぜか今日に限ってムカッとした。こいつが弟の当麻に夢中なのは十分承知だ。それなのに片想いしてる俺って可哀想。いい加減気づけよなーなんて思ってしまう今日この頃。
「・・あ、あの、さ。」
なんて考えていれば美琴がもじもじさせながら口を開いた。
「・・今日って、アイツは・・」
当麻の予定でも聞きたいのだろう。"あ、でも勘違いしないでよ!?別にアイツのことなんてどうでもいいんだから・・!"なんてツンデレ満開。そこが可愛くて一目惚れだ。なにもしなくてもモテる俺が一人の女に執着している。
「・・悪ぃな。俺知んねーんだわ。」
「・・そっ。ならいいわ。」
なんて残念そうな顔。本当は知ってたりする。小萌せんせーのとこでびっちり勉強会だ。当麻絡みだといろんな表情すんのな。
「あ、当麻!」
名前をだせばびくーって体を硬直させた。そんな姿が可愛くて吹き出す。
「・・ぶはっ!はは、は・・!」
嘘だと分かればまたまっかっか。
「な・・!な、なな・・!
騙して・・っ」
「いやー。いいね。今の反応!美琴チャン?」
「・・・!」
バチッ
美琴の体が電流に包まれる
「・・え。おーい美琴チャ、」
「・・ふざっけんなあああ―――っ!!」
「ビリビリ?
なにしてんだ?」
「・・!」
ぴたりと動きが止まる。
「兄貴もなにやってんだよ」
「なにしてると思う?」
美琴の肩を抱き、自分の方へと引き寄せる。
当麻は眉を寄せ焦った顔になる。
「兄貴物好きだな。そんな凶暴。」
「ちょ・・!別にそんなんじゃ!って、凶暴ってなによ!アンタ喧嘩売ってんの!?」
「い!?」
美琴が放った電流は右手で打ち消す。ふーふー、と息を荒くする美琴をさらに抱き寄せる。
「美琴チャンを誘惑してましたー、ぐふっ」
溝に肘打をくらった。
・・やっぱり照れ屋さんだ。