「・・獄寺さんは冷たいです」
「あ?」
ぷっくう、と頬を膨らませて拗ねるこいつはしっかりと俺の方を見つめてきた。
「お前に優しくしたって仕方ねえだろ」
「むう!仮にもそれが彼女に対して言うセリフですか!?」
「俺はテメエを彼女にした覚えはねえ。」
「むっきー!」
このやり取りを見てた山本は最初普通に見てたものの次第に吹き出した。
「山本くん?」
「なんだよ」
「あっはっは!
おまえらって見てて飽きねえよなあって思ってさ。な!?ツナ。」
「へ!?う、うん」
(俺に振らないで!)
「獄寺がそんな顔するの俺初めてみたよ」
「みょうじはよっぽど愛されてるんだな」
2人からそう言われれば
不機嫌になる獄寺にちょっとだけ嬉しそうな顔をするなまえ。でもなまえはすぐ深いため息を口から吐き出した。
「ありがとう山本さん、ボス。でも獄寺さんがそう思ってくれなきゃ意味がないの。」
やわらかく微笑めばツナと山本は頬を染めた。それをなんだか面白くない表情で睨む獄寺。一番気に入らないのはなまえが山本の手を握ってることだ。いつもは自分の手に触れてるなまえの手は他人のヤローに触れてる。獄寺はそれが無性に気に入らなかった
「・・獄寺さん?」
なまえの声に反応すると同時に顔がすぐ近くにあった。こっつん、なにかが額にあたる感覚がして。なまえのおでこが自分のと重なってた。
ぼっ!と、そんな音がしそうなぐらい顔を真っ赤にさせてうろたえる獄寺をよそにんー、と唸る声をだして考えるなまえ。
「な・・!?」
「ふーむ。熱はありませんねえ。」
「あッあたりめえだ!
早く離れやがれ!」
ひっぺがそうとするも強引に獄寺の腕を掴み、引っ張りながら歩く。
「病院行きますよ!もしかしたら他の病気かもしれませんっ」
「う、うるせえ!」
「むっ。煩いとはなんですか!顔だって真っ赤にさせてるし・・」
「・・っ!俺から離れろー!」
獄寺の叫び声が教室に響く
そしてまたすぐに山本の明るい高笑いが聞こえた。