「おはよーペン子ちゃん」
「なんだ、その呼び方は」
天気のいい日曜日。
ここ高倉家でペンギンを抱きしめる少女なまえを見て冠葉は鬱陶しそうな声を発した。
むうーとふてくされる。
「だあーってぇ
呼びにくいじゃない
ペンギン3号なんて」
頭を撫でればペンギン3号は短く鳴いた。
「そもそもなんで只のクラスメイトが当たり前のように毎日ウチに朝ご飯を食べにくるんだ」
「・・迷惑?
うちの家族アメリカに仕事で行ってるからいつ帰ってくるか分からないし」
じっといまにも泣きだしそうな表情で冠葉に訴えた。
そんななまえにうっ、と口をつぐませる。
「だからってなにもウチにくることないだろ!」
「冠ちゃん!
そういう言い方はなまえちゃんに失礼だよ!」
「陽毬・・」
そう天使の笑顔で言ってくれるのが妹の陽毬ちゃんでこの憎たらしい奴の妹だとは思えないくらい純粋で無垢な可愛い天使なのだ。
「そうだよ!兄貴!
一緒に食べるくらい構わないじゃないか」
そして陽毬ちゃんの後ろから卵焼きやらお味噌汁やらがのったおぼんを持ってやってくる双子の弟の晶馬くん。
この子も優しくて好き。
あと料理が上手いから嫁にほしい。
「おまえらなあ・・っ」
「「「いただきまーす」」」
「聞けよ!」
「やっぱり晶ちゃんのお味噌汁は美味しい
冠ちゃん!早く食べないと冷めちゃうよ」
「・・・っくそ、」
どかっと座り、箸をとり食べはじめる。
お味噌汁を一口含めば、
「・・美味い。」
自然とそんな言葉が洩れる
冠葉がぼつり、そう言えば周りの3人は顔を見合わせて笑った。
「・・明日からは晶馬の手伝いすることが条件な」
「いえっさー!」
結局、みんな優しいのです