数ヶ月ぶりに会った幼なじみはクイズバカになっていた。
「識が・・クイズ?」
「へへ・・っ」
あの口下手で引っ込み思案で本が友達だった識が?
世の中って分からない・・
「じゃあ彼女は!?
できた?」
「へ!?
ななな!いないよ!」
「だよね〜!よかった!」
赤く否定してた識だがなまえの一言で顔をしかめた。
いくらなんでもはっきり言い過ぎだろう。
にっこり微笑んで人差し指をぴっと立てた。
「即席クーイズ!」
「は?」
「栄養価が高いことから『海のミルク』と呼ばれる「牡蠣」・・正解」
「ルイ16世が結婚した「マリーアントワネット」・・ピンポーン!」
なんだコレ。
確か以前こんなことあったような・・
ああ、深見さんだ。
この"即席クーイズ"というフレーズ。彼女そのものを見てるようだった。
「むう・・。
識のクセに意外とやるのね!」
「ははは・・っ」
「私も文蔵にはいってればよかったのかなー」
「なまえは僕がはいっても卒業しちゃってるから無理でしょ」
「そうだけど、そうだけど〜!!」
両手をぐるぐるさせてばたつかせる。
じっと上目遣いで識を見上げた。
「・・なんか識変わったね
カッコよくなった」
「な・・!?
なに言ってんだよ!
変わらないって!!」
「気がつかない所ではまだまだ子供だなあ」
鼻をつんっとつついてやればさらに顔を赤くさせた。
「識のこと男性として見るにはいつになるのかな?」
「・・・すぐ、っだよ!」
真剣な識に目を丸くさせた
こんな表情の織は初めて。
「バーカ!」
なまえは照れ隠しで笑った。
だって本気で年下にトキめいてしまった、なんて
悔しいもん。
それに識はこれからもっとカッコよくなるって自惚れちゃってる自分にも・・ね