「イチト先生!
今日こそ私に付き合ってもらいます!」
「・・・すまないが
何度も断ってるように私には妻が・・・」
「あ――もう!
そんな意味じゃないです!
飲み会ですよ!
イチト先生だけ毎回同じ理由でこないんですもん!
今夜は絶対連れてくるよう上司の方々に頼まれてるんです!」
眉をタレ下げて睨みつけるなまえ。
「せっかくだけど今回も遠慮させていただくよ
妻が心配するんでね」
「ちょっとくらいいいじゃないですか!
仲間つきあいも大切です!
奥さんも許してくれますよ〜!」
「放してくれ・・!」
腕をがっしりと掴み動きを封じる。
ずるずるとなまえを引きずらし微妙に歩きだすイチトはどうやら本当に帰るらしい。
「じゃあまた明日」
「あ・・!」
ふりきられ、イチトは駆けて行く。
だんだんと小さくなっていく姿を見つめた。
「―――・・!
イチト先生のばかあっ!」