みじかいの | ナノ

ここの俺の身のまわりを世話する女は変なのばっかだ

「ミヤビと言います」

「なまえです
今日からハルナワ様のお世話をさせていただきますね」

「・・だから俺はハルナワじゃねーって・・」


勘違いも甚だしい。
なぜここの奴らは違う奴だと思わないんだろう。
ハルナワって奴に見えてるってことか?


「ウゼエ・・」


ここに来てからストレスばっかがたまり、ろくに息抜きもできやしない。

それに、日ノ原革。
自分と同じ世界にいるはずならすぐさま探しだし、この手でぶっ潰したい。
勝ちたい。
それが俺の唯一の・・

なんて考えてたら目の前になまえの顔。
これにはびっくりした。


「うおっ?!!」


「ハルナワ様花はお好きですか?」


「は?」


「今日ミヤビと庭に採りに行ったんです
ほら、綺麗でしょう?」


「・・チっ
興味ねえ」


なまえはいつも門脇のキツい一言にもめげなかった。
鼻歌を歌いながら花瓶に花を生ける。
門脇はやけに今日は静かだと、辺りを見回した。


「・・なんだ、お前今日は1人か?
あの巨乳女は・・」


「ミヤビは検査ですよ」


「ああ、体悪ぃんだっけ
そんなヤツがなんでここで働いてんだか・・」


なまえは頬を膨らませた。
そんな姿に不思議がる。


「・・なんだよ」


「だってハルナワ様ったらミヤビのことばっか!
・・・今は私といるのに」

そう言ってちらり、と頬を染めて上目遣いで見てくる

「な・・っ!?」


なんだか急に体が熱い。
心臓も煩いくらいドキドキいって。


「・・・ハルナワ様?」


「・・っ!
な、なんでもねえ・・!」

気づかれまいと顔をそらした。
自分でも分かるぐらい熱い

(なんだ、これ・・)


「・・私!
お医者様連れてきますっ」

「は?
お、おい・・!」


制止しようと声をかけるがもう部屋の外だった。
ぱたぱた・・と軽く地を蹴る足音だけが響いて。
ぐしゃぐしゃと頭を掻いた

「・・っ・・!
ちげえよ!病気なんかじゃねえっつの・・!!」



でも胸は苦しい。
(誰か、この病を教えて)